母子家庭で子供を育てながら家計を支えるのは本当に大変ですよね。仕事、家事、育児…毎日があっという間に過ぎていく中で、経済的な不安が常に付きまとっている方も多いのではないでしょうか。「今月も赤字…」「子供の将来のためにお金を貯めたいけど…」そんな悩みを抱えている方もいるかもしれません。
でも諦める必要はありません。国や自治体では、母子家庭を支援するための様々な給付金や手当が用意されています。これらの制度をうまく活用することで、経済的な負担を軽減し、子供と安心して暮らせるようになります。
ここでは、2024年現在の最新情報に基づいて、母子家庭が受けられる給付金・手当を具体例を交えながら詳しく解説していきます。
国からの給付金
まずは、国から支給される主な給付金を見ていきましょう。
これらの給付金は、全国どこに住んでいても申請することができます。
児童扶養手当
児童扶養手当は、ひとり親家庭のお子さんの生活を支えるための基本的な手当です。
受給資格があれば、毎月安定した収入を得ることができますので、ぜひ積極的に活用しましょう。
支給対象：18歳に達する日以降の最初の3月31日までのお子さんを養育しているひとり親家庭など
支給額：お子さんの年齢や人数、所得などによって異なります。
全部支給：所得が一定基準以下の場合
一部支給：所得が一定基準以上の場合
支給停止：所得が一定基準を超える場合例えば、お子さんが1人の場合、全部支給だと最大4万2,330円が支給されます。
所得によっては一部支給や支給停止になる可能性があるので、事前に確認しておきましょう。
児童扶養手当の所得制限は、以下のようになっています。
全部支給の所得制限限度額：
第1子：年収160万円
第2子：年収203万円
第3子以降：年収245万円に、第3子以降1人につき42万円を加算した額
一部支給の所得制限限度額：
全部支給の所得制限限度額 + 365万円
支給停止の所得制限限度額：
一部支給の所得制限限度額 + 50万円特別児童扶養手当
特別児童扶養手当は、障がいのあるお子さんを育てている家庭に支給される手当です。
医療費や養育費の負担を軽減することができますので、該当する場合は忘れずに申請しましょう。
支給対象：20歳未満の障がいのあるお子さんを養育している家庭など
支給額：障がいの程度などによって異なります。
1級：月額5万2,500円
2級：月額3万4,970円障がいの程度は、身体障害者手帳や療育手帳などの等級によって判断されます。
お子さんの状況に合わせて申請しましょう。
児童手当
児童手当は、中学校卒業までのお子さん**がいる家庭に支給される手当です。
所得制限はありますが、ほとんどの家庭が受給できますので、申請漏れがないようにしましょう。
支給対象：中学校卒業までのお子さんを養育している家庭
支給額：お子さんの年齢や人数によって異なります。
0歳〜3歳未満：月額1万5,000円
3歳〜小学校修了前：月額1万円（第3子以降は月額1万5,000円）
中学生：月額1万円児童手当の所得制限は、以下のようになっています。
所得制限限度額：
夫婦どちらか一方の年収が960万円以上の場合、支給対象外
夫婦の合計所得が960万円以上の場合、特例給付（月額5,000円）の対象子育て世帯生活支援特別給付金
子育て世帯生活支援特別給付金は、2023年6月に成立した新しい給付金です。
物価高騰の影響を受ける子育て世帯を支援するために支給されますので、対象となる場合は忘れずに申請しましょう。
支給対象：2023年4月分の児童扶養手当を受給していないなど、一定の条件を満たす世帯
支給額：お子さん1人につき5万円この給付金は、申請期限が2024年2月29日までとされています。
まだ申請していない方は、早めに手続きを行いましょう。
高等職業訓練促進給付金・修了支援給付金
高等職業訓練促進給付金・修了支援給付金は、専門的なスキルを身につけたいシングルマザーを支援する制度です。
一定の条件を満たせば、訓練期間中の生活費や修了時の就職準備金が支給されますので、スキルアップを目指したい方はぜひ活用してみてください。
支給対象：
雇用保険を受給できないなど、一定の条件を満たすひとり親家庭の母または父
厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を受講し、修了見込みの方
支給額：
促進給付金：月額10万円または7万500円（世帯の状況による）
修了支援給付金：5万円この制度を利用することで、資格取得やキャリアアップを目指し、将来の収入アップにつなげることができます。
自治体からの給付金
国からの給付金に加えて、各自治体でも様々な給付金や手当が用意されています。
これらの制度は、お住まいの地域によって内容が異なる場合がありますので、必ずお住まいの自治体のホームページなどを確認するか、窓口に問い合わせてみましょう。
ひとり親家庭医療費助成制度
ひとり親家庭医療費助成制度は、お子さんの医療費の負担を軽減する制度です。
多くの自治体で実施されており、所得制限なども比較的緩やかなので、ぜひ活用しましょう。
助成内容：
通院費：無料または一部負担
入院費：無料または一部負担
その他：薬代、予防接種費用など助成内容は自治体によって異なります。
例えば、東京都の場合、通院1回につき上限500円の自己負担で済みます。
就学援助制度
就学援助制度は、経済的な理由で学校に通うのが困難なお子さんを支援する制度です。
学用品費や給食費、修学旅行費などが支給されますので、必要な場合は積極的に活用しましょう。
対象：
経済的な理由で就学が困難な児童・生徒
ひとり親家庭、生活保護世帯など支給内容は自治体によって異なりますが、例えば、東京都の場合、学用品費として年間最大4万4,890円が支給されます。
住宅支援
住宅支援は、ひとり親家庭の住まいの確保を支援する制度です。
家賃補助や公営住宅への優先入居などが受けられますので、住宅にお困りの方は、ぜひお住まいの自治体の窓口に相談してみてください。
支援内容：
家賃補助
公営住宅への優先入居
住宅取得資金の貸付など家賃補助の金額や公営住宅の入居条件などは、自治体によって異なります。
その他
上記以外にも、自治体によっては以下のような給付金や手当が用意されている場合があります。
ひとり親家庭等日常生活支援事業：家事や育児のサポート、学習支援など
ひとり親家庭等生活向上事業：資格取得支援、就労支援など
母子寡婦福祉資金貸付制度：低利息で資金を貸し付ける制度
児童育成手当：中学生までのお子さんを養育している家庭に支給される手当
寡婦控除：所得税や住民税が軽減される制度これらの制度は、自治体によって名称や内容が異なる場合がありますので、必ずお住まいの自治体のホームページなどを確認するか、窓口に問い合わせてみましょう。
申請方法と注意点
給付金や手当を受けるためには、申請手続きが必要です。
申請方法や必要な書類は制度によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
申請方法
申請方法は、主に以下の3つがあります。
窓口申請：お住まいの自治体の窓口で申請書を提出する
郵送申請：申請書を郵送で提出する
オンライン申請：インターネットで申請するオンライン申請に対応している制度もありますが、ほとんどは窓口または郵送での申請となります。
時間に余裕を持って手続きを行いましょう。
申請に必要な書類
申請に必要な書類は、制度によって異なりますが、一般的には以下のものが必要です。
申請書
本人確認書類（運転免許証、マイナンバーカードなど）
お子さんの状況を確認できる書類（戸籍謄本、住民票など）
所得状況を確認できる書類（源泉徴収票、確定申告書など）
その他（制度によって異なる）必要な書類は事前に確認し、漏れのないように準備しましょう。
また、自治体によっては、申請書をダウンロードできる場合もありますので、ホームページなどを確認してみてください。
注意点
給付金や手当の申請には、以下の点に注意しましょう。
申請期限：制度によって申請期限が設けられている場合があります。期限内に申請しましょう。
所得制限：制度によっては所得制限があります。事前に確認しましょう。
支給条件：制度によって支給条件が異なります。ご自身の状況に合った制度を選びましょう。
変更手続き：住所や氏名、所得状況などが変わった場合は、速やかに変更手続きを行いましょう。ケーススタディ
具体的なケースで、どんな給付金が受けられるのか見てみましょう。
ケース1：小学生2人を育てるシングルマザーAさん
Aさんは、フルタイムで働きながら小学生2人を育てています。
所得は年収300万円程度です。
Aさんが受けられる可能性のある給付金・手当は以下の通りです。
児童扶養手当：全部支給の可能性が高い
児童手当：3歳以上小学生までのお子さんが2人なので、月額2万円
子育て世帯生活支援特別給付金：2023年4月分の児童扶養手当を受給していなければ、お子さん2人分で10万円
ひとり親家庭医療費助成制度：自治体によって助成内容が異なる
就学援助制度：所得によっては対象となる可能性があるケース2：未就学児1人を育てるシングルマザーBさん
Bさんは、パートで働きながら未就学児1人を育てています。
所得は年収150万円程度です。
Bさんが受けられる可能性のある給付金・手当は以下の通りです。
児童扶養手当：全部支給の可能性が高い
児童手当：3歳未満のお子さんが1人なので、月額1万5,000円
子育て世帯生活支援特別給付金：2023年4月分の児童扶養手当を受給していなければ、お子さん1人分で5万円
ひとり親家庭医療費助成制度：自治体によって助成内容が異なる
住宅支援：所得によっては対象となる可能性がある終わりに
この記事では、母子家庭が受けられる給付金・手当について詳しく解説しました。
これらの制度をうまく活用することで、経済的な負担を軽減し、お子さんと安心して暮らせるようにしましょう。
最後に、大切なポイントをもう一度確認しておきましょう。
国と自治体の制度：国と自治体、それぞれで様々な給付金や手当がある
申請方法：窓口、郵送、オンラインなど、制度によって異なる
申請期限と注意点：期限厳守、所得制限の確認、支給条件の確認、変更手続きなど
情報収集と相談窓口：自治体のホームページ、相談窓口などで最新情報を収集し、疑問点があれば専門家に相談する母子家庭の日々は、決して楽ではありません。しかし、あなたは決して一人ではありません。国や自治体、そして周りの人たちが、あなたとお子さんを支えてくれるはずです。