「給付型奨学金を申請したいけれど、預金や保険があるとバレてしまって落とされるのでは?」と不安に感じていませんか?特に母子家庭など、子どもの進学を支えたい家庭にとって、少しの貯金が審査にどう影響するかは気になるところです。
この記事では、2025年度の最新情報に基づいて、資産の審査対象・バレる仕組み・隠した場合のリスクなどを具体的に解説します。見落としやすいポイントや安心して申請するためのコツも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
給付型奨学金の審査基準とは?資産もチェックされる理由

給付型奨学金は年収だけでなく、保有する資産額によっても審査結果が左右されます。ここでは、2025年度の制度に基づく支援区分と資産上限の基準を確認しておきましょう。
JASSOの家計基準と支援区分の仕組み
日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金は、家計の収入と資産の両方を基準として審査されます。2025年度における目安は以下のとおりです。
支援区分 | 年収目安(子1人) | 資産上限 |
---|---|---|
第Ⅰ区分 | 204万円以下 | 1,250万円未満(親1人) |
第Ⅱ区分 | 272万円以下 | 1,250万円未満(親1人) |
第Ⅲ区分 | 334万円以下 | 1,250万円未満(親1人) |
バレる資産・バレない資産|申告すべき対象と除外対象の見分け方

すべての資産が審査対象になるわけではありません。ここでは、実際にチェックされる資産の種類と、審査に含まれない資産の違いについて整理します。
定期預金・学資保険・投資信託は要注意?
給付型奨学金の申請では、以下のような資産が基本的に「バレる」対象となります。
- 普通預金・定期預金
- 株式・投資信託
- 学資保険の解約返戻金
- 有価証券や債券の評価額
これらは金融機関からの残高証明書や取引履歴として提出を求められるため、隠すことはできません。
例:母子家庭のAさんは、収入は180万円で第Ⅰ区分でしたが、亡くなった夫の生命保険金1,300万円を定期預金にしていたため、資産基準超過で不採用になりました。
車や家などの持ち物も見られる?
生活に必要なものは基本的に審査対象外ですが、投資的な意味合いがあるものは資産とみなされます。
- 自宅(居住用)→ 原則として審査対象外
- 賃貸に出している不動産 → 対象
- 自家用車 → 審査対象外(高額車両は除く)
- 別荘や複数台所有車 → 対象
「生活のための資産」か「余剰資産」かが判断基準になります。
申告時に見落としがちな注意点とは?

資産審査では、申請時の残高だけでなく、入出金の履歴や家族名義の資産にも注意が必要です。知らずに申請して不利にならないために、見落とされやすいポイントを押さえておきましょう。
通帳残高と家族名義の口座に注意
審査は申請時点の残高を基準にしますが、過去の入出金にも注目されます。不自然な出金や移動は、調査の対象になります。
- 直前に大きな出金がある
- 家族名義に資金を移している
- 現金化して自宅保管している
特に家族名義の預金(母親・祖父母・未成年の子どもなど)は、実質的に同一生計とみなされ、審査対象になる場合があります。
実際に「バレた」事例とは?
事例1:申請直前に800万円を引き出し、資産隠しとみなされたケース
事例2:子ども名義の学資保険と贈与金の合計が1,300万円。説明書を添えて特例認定されたケース
資産を隠すと不採用や返還命令に?虚偽申告で損をしないために

資産を隠したり、虚偽の申告をした場合には、重大な不利益を受ける可能性があります。このセクションでは、バレたときのペナルティとその回避策について解説します。
虚偽申告には要注意
資産を隠すと、給付取り消しや返還命令だけでなく、今後の申請にも悪影響が出ます。 不安がある場合は、必ず事前に相談窓口に確認しましょう。
虚偽申告が発覚した場合のリスク
資産を意図的に隠したり、虚偽の情報を申請書に記載した場合、次のような重大な不利益があります。
- 奨学金の支給取消し
- 既に受け取った給付金の全額返還命令
- 今後の奨学金申請での信用失墜
- 悪質な場合は詐欺罪などの刑事責任
JASSOは自治体・税務署・金融機関と情報共有を行っており、マイナンバー制度の活用で照合が強化されています。安易な虚偽申告は避けましょう。
正しく申告して奨学金を受け取るには?

資産があるからといって必ず不採用になるわけではありません。使い道や状況を正確に伝えれば、特例的に認められるケースもあります。ここでは、審査をクリアするための具体的な工夫を紹介します。
非課税扱いになる資産や特別事情の伝え方
すべての資産が審査で不利になるわけではありません。以下のような使途が明確な資金は「特別事情」として考慮される可能性があります。
- 治療費・介護費用のための積立(証明書類が必要)
- 災害復旧資金や住宅修繕費
- 大学進学のために計画的に積み立てた学費
こうした事情がある場合は、「特別事情申告書」に具体的な内容と証拠書類を添えて提出することで、審査上配慮を受けられる場合があります。
困ったときは相談窓口を活用しよう
資産や審査基準について不明な点がある場合は、以下の窓口で早めに相談するのがおすすめです。
- 学校の奨学金担当窓口
- JASSOの奨学金相談センター
- 市区町村の教育支援課
- 母子家庭向けの母子・父子自立支援センター
児童扶養手当の支給条件についても確認しておきたい方は、こちらの記事をご覧ください。
住民税非課税世帯に関する基準や支援内容については、非課税世帯の基準まとめも参考になります。
よくある質問(FAQ)
Q. 貯金が100万円あると奨学金は不採用になりますか?
A. 原則として100万円程度の預金であれば不採用にはなりません。ただし、他の資産との合算や使途によって判断されるため、特別事情として申告するのが安心です。
Q. 資産はどの時点の金額が見られますか?
A. 申請時点の残高が基本ですが、通帳の入出金履歴も提出を求められることがあります。直前の大きな出金や家族口座への移動などは避けましょう。
Q. 子ども名義の学資保険も資産になりますか?
A. はい、名義が子どもでも家庭全体の資産とみなされることがあります。解約返戻金や満期時期に注意し、必要であれば特別事情として説明しましょう。
Q. 虚偽申告がバレた場合、どんなペナルティがありますか?
A. 支給の取り消し、給付金の返還命令、今後の申請への不利益に加え、悪質な場合は法的責任を問われる可能性もあります。
まとめ:正しい情報で不安なく申請を
資産が理由で申請をためらう必要はありません。大切なのは、正確な情報と準備です。このまとめで、もう一度ポイントを整理しておきましょう。
給付型奨学金の資産審査はたしかに厳格ですが、「バレたら終わり」ではありません。資産があっても、使い道や事情を丁寧に伝えれば合格の可能性は十分あります。
大切なのは、焦らずに事前準備を進めること。不安な点があれば、専門の相談窓口に問い合わせながら、安心して正確に申請を行いましょう。
お子さんの進学の夢をあきらめないために、給付型奨学金を最大限に活用してください。
進学をあきらめないために
資産があっても、正しい情報と準備があれば奨学金を受け取れる可能性は十分にあります。 迷ったら、まずは学校やJASSOに相談してみましょう。