結論:母子家庭でも私立中学の学費は、就学援助・特待生・奨学金・自治体の授業料補助を組み合わせることで年間数十万円以上軽減できる可能性があります(ただし制度の有無・条件は学校や自治体で異なります)。
この記事では「使える制度」「対象条件」「どれくらい軽減できそうか」を、費用の目安も含めて整理します。
母子家庭で「子どもを私立中学に行かせたい」と考えたとき、いちばん不安なのは学費ですよね。
ここでは、母子家庭が利用しやすい補助制度(就学援助・特待生・奨学金・自治体の授業料補助)と、私立中学にかかる費用の目安をまとめます。
母子家庭のための私立中学の補助には何がある?
私立中学は公立中学よりかなり費用がかかることから、条件付きですが、様々な補助制度が用意されています。代表的なのが次の4つです。
- 就学援助制度
- 特待生制度
- 奨学金制度
- 私立高等学校経常費助成費等補助金
| 制度 | 対象(例) | 軽減内容(例) | 確認先 |
| 就学援助制度 | 要保護/準要保護(自治体基準) | 学用品費・給食費などの補助(自治体により異なる) | 市区町村の教育委員会 |
| 特待生制度 | 入試成績上位など(学校基準) | 入学金/授業料の免除・減額 | 志望校の募集要項 |
| 奨学金制度 | 学校基準(家計・成績など) | 授業料の免除・減額/給付・貸与など | 志望校・自治体・民間団体 |
| 自治体の授業料補助 | 地域の基準(所得など) | 授業料等の補助(名称・内容は地域で異なる) | 都道府県・市区町村 |
就学援助制度
文部科学省が定める制度で、対象は
a.要保護者
生活保護法第6条第2項に規定する要保護者(令和2年度 約10万人)
b.準要保護者
市町村教育委員会が生活保護法第6条第2項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮していると認める者 (令和2年度 約123万人) 【認定基準は各市町村が規定】
となっています。
生活保護を受けていなくても、「要保護者に準ずる程度に困窮していると認める者」も利用できるので、ご自身の家庭が該当しないか確認してみましょう。確認方法ですが、該当するかどうかは自治体によって違うので、自治体に問い合わせてみましょう。
特待生制度
特待生制度は、入学金や授業料が免除、あるいは大幅に減額される制度で、各私立中学が独自に設定しています。
特待生制度が利用できる条件は、入試での成績上位者、学校独自に定めている適性検査の合格などがあります。詳しい条件や受給内容、期間は各私立中学に問い合わせて確認しますが、首都圏の私立中学の情報は下記のサイトで見ることができます。
奨学金制度
奨学金制度も特待生制度と同じように、入学金や授業料が免除、あるいは大幅に減額される制度で、各私立中学が独自に設定しており、確認方法も同じです。
入学時に中学全期間が対象になる学校と、毎年見直しがある学校があります。
特待生制度や奨学金制度は成績上位が必須の条件になっており、採用している学校も限られてますが、目指す学校にこういった制度があれば、頑張りたいですよね。
私立高等学校経常費助成費等補助金
中学校は義務教育のため、私立高校を対象にした授業料軽減助成や就学支援といった制度はありませんが、各都道府県や地方公共団体による助成、支援があります。それが私立高等学校経常費助成費等補助金です。
教育基本法に基づき、経済的な理由で学校に行くことが困難な生徒に対して支援を行います。補助金のため、生徒に支給されるのではなく、生徒に代わって学校に学費等を支給するのが特徴です。学校に支援という位置づけですね。
地方公共団体による支援のため、地域によって制度の呼び方も様々で、横浜市の場合は「私立学校就学奨励制度」、埼玉県は「授業料軽減補助」、鳥取県は「私立中学就学支援金」という名前です。
ご自身の住む地域に同じような制度がないか、地方公共団体に確認してみましょう。
学資保険
補助制度ではありませんが、学資保険で入学時に一時金を受け取れるプランにしておくという方法もあります。
満期時に受け取れる金額は少なくなりますが、入学時にかかる費用負担を少なくすることができます。
私立中学の学費はいくら?母子家庭が知っておくべき費用
補助制度の利用を考える前に、まず、私立中学にはどれくらいの費用がかかるのか、知っておきたいですよね。
文部科学省「平成30年度子供の学習調査」によると、私立中学にかかる教育費の全国平均は次のようになっています。(1年間・子供一人当たりの学習費総額)
| 私立中学 | 公立中学 | |
| 学校教育費 | 1,071,438円 | 138,961円 |
| 学校給食費 | 3,731円 | 42,945円 |
| 学校外活動費 | 331,264円 | 306,491円 |
| 学習費総額 | 1,406,433円 | 488,397円 |
学校教育費というのは、授業料や教材費、就学旅行の費用、学校納付金、課外活動費、制服代などです。また学校外活動費は、自宅で勉強するための参考書や学習塾、模試、地域活動、スポーツ活動などにかかる費用です。
学習塾は、中高一貫校に通うのであれば高校受験がなく、かからないケースもあります。
公立中学でも結構費用はかかりますが、私立中学はその約3倍も費用がかかることがわかります。
もちろんこれは全国平均なので、これより費用がかからない学校もあれば、かかる学校もあります。目指す私立中学にかかる費用はいくらになるか、学校のホームページから資料請求などして、情報を集めましょう。
私立中学受験の塾代・受験費用の相場とは
私立中学に入るためには入学試験に合格しなくてはなりません。入学試験に合格するには、多くの場合、小学校に行きながら塾に通うことになるでしょう。
学習塾にかかる費用の相場をみてみますと、次のようになります。
- 4年生・5年生:40万円~70万円
- 6年生:90万円~120万円
基本的な授業料は4年生・5年生と6年生は変わりませんが、夏期講習や冬期講習、志望校対策などが加わることで費用は増えていきます。
次に、模擬試験の対策があり、公中検模試と小学ぜんけん模試です。
公中検模試は年に4~6回行われ、受験料はそれぞれ4,000円になります。小学ぜんけん模試はぜんけん模試とぜんけん模試PLUSの2種類があり、受験料は2,000円~4,500円です。
このほかに、受験料があります。私立中学の受験料は1校あたり2~3万円になり、もし複数校受けるのであれば、まとまった金額が必要になります。
塾代を含め、かなりの費用がかかることがわかりました。経済的に余裕のない母子家庭の方にとっては、大きな負担ですよね。
そこで次に、母子家庭の方が利用できる私立中学の補助制度がないか、みていきます。
私立中学への進学、補助制度を活用する際の注意点
母子家庭の場合、金銭的なことで子供には私立中学は難しいかもしれませんが、このような補助を受けることで実現できる可能性があります。
公立中学には公立中学の良さがあり、私立中学にも私立中学の良さがあり、どちらがいい、とは言えません。言うならば、どちらが自分の子供に合っているか、でしょう。
金銭的なこともありますが、子供との相性を考えた上で、私立中学に行かせるか決めるのがいいのではないでしょうか。
