非課税になる年収、母子家庭ではいくらまで?

日本人ならみな払うことになっている税金のひとつに、住民税があります。母子家庭では、条件に当てはまればこの住民税は非課税となり、支払いが全額免除されることになっています。

住民税というのは、正しくは「個人住民税」と言い、総務省のホームページでは次のように解説されています。

 私たちは日々の生活の中で、公共施設、上下水道、ごみ処理、学校教育といった行政サービスを多く受けており、その地域に住む住民が、各地域で必要となる費用を分担してもらうことが望ましいと考えられます。

 個人住民税とは、このような行政サービスの活動費に充てる目的で、その地域に住む個人に課す地方税をいい、市町村民税と道府県民税があります。納税する際には、一括して各市町村に個人住民税を納めなければならず、道府県民税は各市町村によって、その道府県に払い込まれます。

 それぞれの地域において、地域住民の生活を保障するために、行政サービスの財源を適切に確保する観点から、個人住民税は極めて重要な税目となっています。

ここに書かれているように、住民税は「市町村民税」と「道府県民税」の2種類の税金を一緒に払うことになっています。

また、住民税と並んでよく聞く税金に「所得税」がありますが、これは国による税金で、直接国に払います。住民税、所得税のうち、母子家庭において非課税になるのが住民税です。

ただし、母子家庭で住民税が非課税になるのには条件があって、それは年収です。ざっくり言ってしまえば、年収が少ない、すなわち所得が低ければ非課税になります。

住民税は、もし会社勤めしているのであれば給与明細に書いてあり、自動的に引き落とされています。もし金額が書いてなければ非課税になっているということです。

非課税になるかどうかは年収で決まってきます。そこで、母子家庭で住民税が非課税になる年収はいくらなのか、調べてみました。

目次

非課税になる年収、住民税のしくみとは?

まず、住民税のしくみについてです。

住民税には所得割均等割の2種類からなり、その合計が納める金額になります。

所得割とは

その人の所得に応じて変わる税金で、所得の10%と決められています。対象になる所得が200万円であれば、所得割の金額は、200万円x10%=20万円、となります。(実際にはここから「税額控除額」が差し引かれ、その残額が所得割額になります。)

均等割とは

総務省のホームページでは、均等割の金額は次のように定義されています。

「地域社会の会費」的なものであるとして負担を求める個人住民税の性格を反映したもので、通常5,000円(市町村民税3,500円、道府県民税1,500円)

所得割とは違い、所得の金額には関係なく、一律の金額になっています。

非課税になる年収、収入と所得の違いは?

先ほどから「所得」という言葉が何度か出てきますが、その一方で、「年収〇〇〇円」という言い方もよく耳にしますよね。

何気に同じ意味で使っている人もいるかもしれませんが、こと税金になると、所得と収入は明確に区別されていて意味も違います。

収入とは

会社員やパート、アルバイトなら、会社から支給される給料や賞与のことで、1年間の合計がいわゆる「年収」です。

自営業でお店などをやっている場合は、売上げが収入として扱われます。そのため年収とは言わず、年商〇〇〇円、という言い方をします。

所得とは

上記の収入から必要経費を引いた金額が所得です。

会社員や母子家庭でパート、アルバイトなど、法人から給料をもらっている人の場合は、必要経費は控除というかたちで毎月自動的に差し引かれています。

自営業でお店などをやっている人の場合は、商品を仕入れるために支払った代金が必要経費になります。

収入 – 必要経費 = 所得

ですね。

住民税はこの「所得の金額」に応じてかかる税金、ということになります。

非課税になる年収、母子家庭ではいくら?

住民税のことはこれでわかりました。では、母子家庭で住民税が非課税になるのは年収でいくらなのでしょうか?

住民税が非課税になる世帯のことを非課税世帯と呼び、その対象になる条件にはいくつかありますが、母子家庭の場合は

所得:135万円以下
年収:204万4,000円未満

が対象になっています。

ただし、母子家庭で生活保護を受けているのであれば、年収がいくらかの前に非課税の対象になります。(生活保護を受ける条件に所得の項目があり、非課税の所得額以下のため)

会社員の場合は、年収から引かれる給与控除額は決まっているので所得は自動的に計算され、135万円以下であれば住民税は非課税です。

会社員の住民税は給与引き落としなので、非課税=引き落としなし、ということになります。年末に届く源泉徴収票で確認することができます。

母子家庭で自営業者の場合も条件は同じですが、住民税の非課税は、確定申告し、それが認められてからになります。自営業では税金は自分で納めに行きますが、非課税であることが認められれば払う必要がない、ということになります。

非課税になる年収に母子家庭の手当は含まれる?

母子家庭で、元夫から養育費をもらっていたり、児童扶養手当や子供手当をもらっている、という人は多いと思います。

このような給与所得以外の収入がある母子家庭の場合、住民税が非課税になる年収を超えてしまうので非課税にならないのでは?と心配になりますよね。

でも大丈夫です。ここであげた、養育費、児童扶養手当、子供手当は、母子家庭では非課税を判定する年収としてカウントはされません。逆に児童扶養手当を満額もらっている場合は、その条件から非課税になるでしょう。

非課税になる年収の母子家庭世帯への助成制度とは?

母子家庭で住民税が非課税になる世帯を対象に、このほかにも様々な助成制度があります。

  • 国民健康保険の減額、もしくは免除
  • 保育料の減額
  • 小中学校の就学支援金制度
  • 高校大学の給付型奨学金
  • 私立高校授業料無償化
  • 大学・専門学校授業料無償化

いずれも年収の少ない世帯の生活の助けることを目的に制定され、母子家庭でも利用可能な制度です。

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