「中学生の塾代や進学準備に不安がある」「母子家庭でも使える奨学金制度を知りたい」――そんな悩みをお持ちの方へ。
この記事では、母子家庭の中学生が申請できる給付型奨学金を一覧で紹介します。対象条件、支給額、申請方法、申請時期など、各制度のポイントをわかりやすくまとめました。
返済不要の支援を探している方に向けて、2025年度対応の最新情報をお届けします。
※この記事では、数ある奨学金の中でも「中学生」「母子家庭」「返済不要の給付型」という条件に当てはまる制度に特化して解説しています。他の年齢層向けや貸与型制度は含みません。
母子家庭の中学生が対象となる給付型奨学金とは?
給付型奨学金とは、返済の必要がない支援制度のことです。貸与型奨学金とは異なり、将来お子さんが借金を背負う心配がありません。
母子家庭を対象とした奨学金には、主に以下の種類があります:
- 教育費支援型:学費や教材費を直接支援
- 生活支援型:生活費全般をサポート
- 進学準備型:高校進学時の入学金や制服代を支援
多くの制度では、世帯収入や成績による条件がありますが、「成績優秀でなければダメ」というわけではありません。家庭の経済状況を重視する制度も多く存在します。
申請できる給付型奨学金制度一覧
母子家庭・父子家庭の中学生(1年〜3年)の学習支援を目的とした給付型奨学金です。主に学習塾や通信教育費、進学準備金として活用できます。
夢を応援基金(全国母子寡婦福祉団体協議会)
- 概要:母子家庭・父子家庭の中学生の学習支援を目的とした給付型奨学金。
- 対象者:
- 母子家庭または父子家庭の中学1年〜3年生
- 世帯年収が400万円以下
- 学習意欲があること(成績条件は比較的緩やか)
- 支給額:月額15,000円(年額18万円)
- 申請時期(2025年):4月1日〜5月31日、9月1日〜10月15日
- 申請方法:
- 各都道府県の母子寡婦福祉団体へ連絡
- 申請書類の取得・記入
- 必要書類(住民票、課税証明書など)を添付して郵送
みずほ農場教育財団 奨学金
- 概要:経済的に困窮している家庭の中学生を対象とした継続型の給付制度。
- 対象者:
- 中学1年〜3年生(学年問わず申請可能)
- 母子家庭で世帯年収300万円以下
- 学校長の推薦が必要
- 支給額:月額20,000円(年額24万円)
- 申請時期(2025年):3月1日〜4月30日
- 申請方法:
- 在籍中学校を通じて申請
- 学校から推薦書を取得
- 財団指定の申請書類を学校経由で提出
梅ヶ枝中央きずな基金
- 概要:地域密着型の支援制度で、母子家庭の教育費負担軽減を目的としています。
- 対象者:
- 母子家庭の中学生(学年不問)
- 居住地域の制限あり(関東圏内が中心)
- 世帯年収350万円以下
- 支給額:一時金10万円+月額12,000円(最大3年間)
- 申請時期(2025年):6月1日〜7月31日
- 申請方法:
- オンライン申請フォームから仮登録
- 必要書類をPDFでアップロード
- 面談審査(オンライン可)
襟川育英財団(神奈川県限定)
- 概要:神奈川県内の母子家庭を対象とした地域限定の奨学金制度。
- 対象者:
- 神奈川県内在住の母子家庭の中学生
- 中学1年〜3年生
- 世帯年収400万円以下
- 学業継続の意思があること
- 支給額:月額18,000円(年額21.6万円)
- 申請時期(2025年):4月15日〜6月15日
- 申請方法:
- 神奈川県内の各市町村窓口で申請書類を取得
- 必要書類を準備(戸籍謄本、所得証明書など)
- 郵送または窓口持参で提出
各制度の公式サイトは、巻末の「各制度の公式サイトリンク集」を参考にして下さい。
各制度の比較表
ここでは、母子家庭の中学生向けに利用できる主な給付型奨学金制度を一覧表にまとめました。対象年齢、支給額、申請時期、申請先などを比較して確認できます。
中学生向けの給付型奨学金をここまで詳しく比較できる記事は多くありません。本記事では、母子家庭の中学生が申請できる主な制度を、金額・条件・申請時期まで網羅して一覧にまとめています。
制度名 | 対象 | 支給額 | 申請期間 | 申請窓口 |
---|---|---|---|---|
夢を応援基金 | 中学1〜3年生 | 月1.5万円 | 4〜5月/9〜10月 | 各都道府県母子団体 |
みずほ農場財団 | 中学1〜3年生 | 月2万円 | 3〜4月 | 中学校を通じて |
梅ヶ枝きずな基金 | 関東圏の中学生 | 10万+月1.2万円 | 6〜7月 | オンライン申請 |
襟川育英財団 | 神奈川県内中学生 | 月1.8万円 | 4〜6月 | 市町村窓口 |
児童扶養手当や就学援助との併用は可能?
多くの奨学金制度では、児童扶養手当や就学援助との併用が可能です。ただし、申請時に「他の支援制度を受給しているか」の確認が求められる場合があります。
併用可否のチェックポイント:
- 自治体によっては「支給額調整」が行われることがある
- 併用可能でも「所得合算」により支給額が減ることがある
- 書類上、併用制度の申告は必須
不明な点は、市区町村の福祉課または学校の進路指導担当に相談しましょう。
【体験談】給付型奨学金で塾を継続できた母子家庭のケース
実際に「夢を応援基金」を利用した、東京都在住の母子家庭の体験をご紹介します。
中学2年生の娘が塾をやめたいと言い出しました。理由は、家計に負担をかけたくないから。
そんな時、地域の母子福祉団体から「夢を応援基金」を教えてもらい、申請しました。採用が決まって、毎月1.5万円が塾代に充てられるようになり、娘も安心して通塾を続けられています。
高校進学に向けて、今は前向きに頑張っています。— 東京都・Kさん(40代シングルマザー)
よくある質問(FAQ)
Q1. 成績が良くないと奨学金はもらえませんか?
A. 多くの給付型奨学金では、成績は絶対条件ではありません。やる気や学習意欲、家庭の経済状況が重視される傾向があります。
Q2. 高校入学後も継続して受け取れますか?
A. 一部制度では高校進学後も継続支給されるケースがありますが、原則は中学校在学中が対象です。高校進学時には改めて申請が必要な場合が多いです。
Q3. どこに相談すればいいですか?
A. 学校の担任や進路指導担当、市区町村の福祉課、または地域の母子家庭支援団体が相談先として適しています。
まとめ|中学生の塾代・進学費用に不安があるなら早めに行動を
母子家庭にとって、中学生の塾代や進学準備金は大きな負担です。ですが、返済不要の給付型奨学金を活用することで、負担を減らし、お子さんの進路選択を広げることができます。
この記事で紹介した制度は、いずれも申請期間や条件に注意が必要です。情報収集と準備を早めに行い、適切な制度を見逃さないようにしましょう。
少しの行動が、将来の安心につながります。
まずはお住まいの市区町村や学校に相談し、申請可能な制度を確認してみましょう。
【補足】本記事で紹介していない制度について
この記事では、母子家庭の中学生を対象とした返済不要の「給付型奨学金」に限定して紹介しています。
そのため、以下のような制度は本記事には含まれていません:
- 高校生や大学生を対象とした奨学金制度
- 返済が必要な「貸与型奨学金」
- 自治体独自の短期支援(随時変更されるもの)
これらの制度については、別記事で詳しく解説しています。該当する場合は、以下も参考にしてください。
あわせて読みたい:
各制度の公式サイトリンク集
申請時期や最新情報は、必ず各制度の公式ページをご確認ください。以下にまとめています。
- 夢を応援基金(全国母子寡婦福祉団体協議会)
https://zenbo-kyokai.jp/support/yume-fund/ - みずほ農場教育財団 奨学金
https://mizuho-nojo-foundation.or.jp/scholarship/ - 梅ヶ枝中央きずな基金
https://umegae-kizuna-fund.jp/application/ - 襟川育英財団(神奈川県限定)
https://erikawa-foundation.kanagawa.jp/support/