離婚や不幸にして死別するなど母子家庭になる理由は様々ですが、母子家庭になる方は実は年々増えています。そしてそれと供に、多くの母子家庭では経済的に苦しい生活をしいられています。
日本で母子家庭世帯はどれくらいいるのか、国の男女共同参画局が調べたデータがあり、それによると、1993年には79万人、1998年には約96万人、2003年には約123万人、2016年には約123万人と、確実に増加しているのが分かりました。
この数値を、何人に一人という割合で細かく見ていくと、2022年のデータでは、1つの学校のクラスが40人とすると、40人の中で5人の子供は母子家庭、ということになります。
これは、思っていたよりかなり多い人数なのではないでしょうか。
実際、自分が小学生のときのことを考えると、母子家庭の子は見かけた記憶がなく、正直、この結果に非常に驚きました。
それと供に、今日本には、母子家庭をはじめとするひとり親世帯を対象にした支援制度が沢山ある理由にも納得しました。生活に困っている母子家庭をしっかり支援するための制度は、とても重要ですよね。
しかし、どうしてこれほど母子家庭の世帯や子供が増えたのでしょうか?ここでは、その理由や母子家庭を支援してくれる制度について、見ていきます。
母子家庭は何人に一人?増えている理由は?
母子家庭になる理由は様々ですが、その中でも一番多いのは離婚です。そして離婚する世帯は年々増えています。
昔は男女平等社会という生き方は難しく、女性が仕事をしても収入が少ない一方でした。しかし今は男女平等社会になり、男性と女性が同じように仕事をして同じ給料をもらえるというケースが増えています。
そのため、離婚をしても1人、あるいは子供と暮らすことができる、という考えや、孤独な生き方を考えることが一般的になってきました。
また、昔は離婚というのは世間的な印象が非常に悪く、離婚すると人間性まで疑われるような時代でした。夫婦仲があまり良くなくても我慢して生活をしていました。
でも今は違います。
離婚にネガティブなイメージを持つ人は少なくなり、理由を知って納得、あるいは賛成する、という考えが広く受け入れられるようになってきました。我慢して夫婦生活を続ける必要はなく、合わなければ無理はしない、というように時代が変わってきたのです。
しかし、お金があり裕福な母子家庭がいる一方で、収入が少なく、資産もなくて経済的に苦しい母子家庭も沢山います。経済的に苦しい母子家庭では、子供を小学校、中学校までは行かせることができますが、高校や大学でお金がかかることで、進学をあきらめざるを得ない家庭も増えています。
さらに、昨今の不況の影響で仕事に就くのが難しく、母子家庭の何人に一人という割合が徐々に増加しています。
母子家庭は何人に一人、増えたのは支援制度も関係ある?
母子家庭でいる方が有利なこともある、というのも、何人に一人という割合が増えている理由にもなります。
それは、日本には、母子家庭をはじめとするひとり親世帯を対象にした支援制度が数多く用意されているからです。
昔は国の制度が少なく、母子家庭になって生活していくのは大変なことでしたが、今は支援制度が充実し、児童手当や児童扶養手当、住宅手当、ひとり親家庭等医療費助成制度などの支援制度を受けることによって、母子家庭でも子供を育てやすい社会へと変化しているのです。
支援を受けるには収入などの条件がありますが、貧困や家庭の問題で子供を産むことができなかった家庭が、こうした制度や補助金を使うことで、今まで産めずに悩んでいた母親が子供を産めるようになり、子供を安心して育てる社会になりました。
お金が裕福な家庭と貧困な家庭、自由な生き方や制度が変化しているのが母子家庭が増えている理由です。
父子家庭より母子家庭の制度が整っている中、父子家庭のデータはあまり変化が見られませんが、母子家庭の世帯や子供は大きく増えました。何人に一人という割合で見ていけば、母子家庭の方が確実に増えています。
それは一般的に言って、父親の方が母親より収入が多いことが関係しています。収入が多いのであれば、支援はなくても生活できる、という考えです。
全国では母子家庭が増えていますが、各都道府県によっては結婚や夫婦一緒に過ごすことに積極的なところもあります。子供を育てる環境や雇用状況が安定している都道府県では母子家庭の子供が、他の県よりは少ないです。
母子家庭は何人に一人?母子家庭世帯を減らすには
母子家庭やひとり親世帯から抜け出すには、今の生き方や制度を変える必要はあります。
就職が困難な社会にある結果、今でも子供を産みたいのに産めない母親もいます。就職の制度や夫婦世帯が生きやすい社会にならなければ、母子家庭の数を減らすことが難しいと考えます。
今は昔以上に子供を育てるのが大変で精一杯です。お金に苦しいと考えている世帯では子供を勉強させたり大学に通わせたりするのが大変だと思う人も増えています。
母親と父親が価値観が異なるだけではなく、一緒にいる方が難しいと考える家庭もあります。それは母子家庭の制度は恵まれている一方で、他が恵まれていないからだと思います。
何人に一人という割合はこれからも増加していくと考えられます。またこれから子供のために使うお金もあまり残っていない人も多いでしょう。
父親との価値観が合わない以上に、お金や制度に関する悩みを持つ母親も増えています。
子供にとっては父親もいる方が父親の愛情も分かり、悩みも抱えてにくくなります。父親が欲しいと思っている子供や父親を持つことに遠慮をしている子供も少なくはありません。
今一度生き方や就職先、子供との会話を見つめ直すことが、母子家庭の世帯を減らすきっかけにもなります。そうなれば、何人に一人という割合も減ってくるのではないでしょうか。