母子家庭でも私立高校の学費は免除できる?授業料無償化・入学金・給付金・自治体支援を制度別に完全ガイド

「母子家庭で私立高校に通わせたいけれど、学費が心配」「“免除”って聞くけど、どこまで0円になるの?」

私立高校は、授業料だけでなく入学金や施設費、制服・教材代などが重なりやすく、家計への影響が大きくなりがちです。とはいえ条件が合えば、授業料は実質0円に近づけられることもあります。

ポイントは「何の費用が、どの制度で軽くなるのか」を分けて考えること。授業料だけ先に見てしまうと、あとから「入学金が払えない」「制服代がきつい」となりやすいので、この記事では費用を分解しながら順番に整理します。

この記事について(大切なお知らせ)
本記事は、母子家庭(ひとり親家庭)の教育費負担を軽くする制度について、国・自治体の公的情報をもとに分かりやすく整理したものです。制度の内容や条件は年度・自治体・学校により変更される場合があるため、申請前には必ず学校の案内および公式情報で最新条件をご確認ください。

目次

この記事のポイント

  • 授業料高等学校等就学支援金で実質無償化の可能性(私立も対象)
  • 授業料以外(教材・制服・通学・修学旅行など):高校生等奨学給付金(返済不要)で支援
  • 入学金/初期費用自治体・学校独自の減免母子父子寡婦福祉資金などの貸付で穴埋め
  • 自治体支援は地域差が大きい(例:東京は授業料軽減助成など、都道府県で制度が違う)

関連:授業料以外(制服・教材・通学費)も支援:高校生等奨学給付金の条件と申請

「免除」の誤解をほどく:私立高校の学費はどこまで0円になる?

「免除」と言われることが多いのは、私立高校でも授業料が就学支援金で軽くなる(実質0円になる)ケースがあるためです。

ただ、私立高校の支払いは授業料だけでは終わりません。入学金・施設費・教材費・制服代などが学校ごとに大きく違い、ここを見落とすと「授業料は何とかなったのに、最初の支払いが厳しい」となりがちです。

私立高校で「授業料以外」にかかりやすい費用の例

学校によって差はありますが、私立高校では授業料以外にも次のような費用がまとまって発生しやすいです。入学前後に一気に出費が増えることもあるので、内訳を早めに確認しておくと安心です。

  • 入学金(合格後に期限が短いことが多い)
  • 施設設備費・教育充実費(学校独自の費用)
  • 制服一式・体操服・上履き
  • 教科書・教材費(副教材・辞書など)
  • 通学定期代(距離が長いと負担が大きい)
  • タブレット/PC購入費(学校指定がある場合)
  • 部活動費(用具代・遠征費など)
  • 修学旅行・研修費

「授業料は0円になると聞いたのに、結局お金がかかる…」となるのは、この“授業料以外”の部分が原因になりやすいです。ここは奨学給付金自治体支援でカバーできる可能性があります。

費用の種類主に使う制度(代表例)ポイント
授業料高等学校等就学支援金(国)私立も対象。所得要件あり。学校が代理受領のケースが多い
授業料以外(教材/通学/制服/修学旅行等)高校生等奨学給付金(都道府県)返済不要。非課税世帯等が中心。就学支援金と別申請
入学金・初期費用自治体独自の支援/学校独自減免/福祉資金等の貸付自治体差が大きい。入学前に要確認

あわせて:返済不要の奨学金を探す(給付型の一覧)

【制度1】母子家庭の私立高校「授業料免除(実質無料)」の中心:高等学校等就学支援金

授業料の負担を大きく下げられる制度が、高等学校等就学支援金です。入学すると学校から案内が出ることが多く、そこで申請して授業料に充てられます。

支給条件の考え方(所得判定の式)

所得判定には、目安として「課税標準額×6%-市町村民税の調整控除額」の計算が使われます(学校や案内に従って確認)。

「自分が対象かどうか、早めに知っておきたい」という場合は、学校の配布資料や自治体の案内を見ながら確認しておくと安心です。

支給のされ方:保護者に振り込まれないことが多い(注意)

就学支援金は、保護者の口座に振り込まれるというより、学校が受け取って授業料に充てる運用が多いです。案内を読むときは「入金」ではなく「授業料が減る(または相殺される)」イメージで見ると分かりやすいです。

就学支援金はいつ反映?「一旦納付」が必要になるケース

ここがつまずきやすいところです。学校の請求スケジュールによっては、支援金の反映前に授業料の請求が来て、いったん支払う必要が出る場合があります。あとから返金されるのか、次回請求で相殺されるのかは学校の運用で違うので、入学前後に確認しておくのが安心です。

(例)4月に授業料をいったん支払い、就学支援金の手続き完了後に「次回請求で相殺」や「口座返金」になるケースがあります。

  • 確認①:就学支援金が反映される時期(何月分から減る?)
  • 確認②:反映前は「一旦納付」か、請求が減額されるか
  • 確認③:一旦納付した場合、返金方法(口座返金/次回相殺)

学校に聞くときは、「就学支援金の反映前に請求が来た場合、支払いはどうなりますか?返金か相殺かも教えてください」と、そのまま伝えるとスムーズです。

申請方法:紙・オンライン(e-Shien)

申請は入学後に学校の案内に沿って行います。紙の申請に加え、オンライン申請(e-Shien)を案内される学校もあります。

e-Shien(オンライン申請)の手順:学校から案内が来たらやること

e-Shienは、学校から配布される案内(ログイン方法・期限)に沿って進めます。学校によって案内の仕方が違うので、まずは配布プリントや連絡メールを手元に置いてから作業するのがおすすめです。

  • 手順①:案内にある申請期限とログイン方法を確認する
  • 手順②:保護者・生徒情報を入力し、世帯の状況(扶養など)を確認する
  • 手順③:所得確認に必要な同意や情報提供(学校の指示)を進める
  • 手順④:送信後、控え(受付完了画面・受付番号など)が出たら保存する

入力につまずいたら、締切直前に粘るより、早めに学校事務へ相談した方が早いです。特に世帯の扱い(別居・扶養など)は、学校の指示に従うのが確実です。

「別居」「再婚」「扶養が複雑」な場合は先に確認しておく

就学支援金の判定は、家庭の状況によって扱いが変わることがあります。たとえば別居している親がいる、再婚している、扶養関係が複雑…という場合は、自己判断で進めるより、学校の案内どおりに確認しながら進めるのが安心です。

「DV等でマイナンバー提出が難しい」など個別事情がある場合

DV等の事情で手続きが難しい場合は、無理に一人で進めず、学校や自治体の窓口に早めに相談してください。状況に応じた対応が案内されることがあります。

【制度2】授業料以外の負担を軽減:高校生等奨学給付金(返済不要)

「授業料は何とかなりそう。でも制服や教材、通学費が重い…」というときに頼りになるのが高校生等奨学給付金です。授業料とは別枠で、授業料以外の教育費負担を軽くする目的の制度なので、就学支援金とは申請が別になります。

就学支援金との違い(ここを押さえると迷いにくい)

  • 就学支援金:授業料に充当(学校が受け取って授業料に充てる運用が多い)
  • 奨学給付金:授業料以外(教科書・教材・学用品・修学旅行など)を支援

奨学給付金は「いつ・どこで」申請する?(目安)

奨学給付金は、学校でまとめて案内されることもありますが、基本は都道府県の制度です。申請時期は年度の前半に集中しやすく、締切を過ぎると受付が難しい場合もあるので、入学したら早めに学校の案内を確認しましょう。

詳しく:高校生等奨学給付金の対象・金額・申請方法をまとめて確認する

【制度3】入学金・初期費用が厳しい:母子父子寡婦福祉資金などの貸付/生活福祉資金

私立高校は、入学前後にまとまったお金が動きます。入学金、制服一式、教材や端末購入などが重なり、「授業料は軽くなると聞いたけど、最初の支払いがつらい」という相談は少なくありません。

こうした“最初の山”を越えるために、母子父子寡婦福祉資金や生活福祉資金などの貸付を検討できる場合があります(取り扱い・条件は自治体によって異なります)。

入学前に学校へ聞いておくと安心な質問テンプレ

「あとで困らないために、入学前にここだけは確認したい」という項目をまとめました。学校に電話するときも、このまま読めばOKです。

  • 「就学支援金は何月分から授業料に反映されますか?」
  • 「反映前の授業料は、一旦支払いが必要ですか?」
  • 「一旦支払った場合、返金ですか?次回相殺ですか?」
  • 「入学金・施設費など、免除や減免の制度はありますか?」
  • 「制服・教材・端末購入など、初期費用の合計目安はいくらですか?」

【制度4】自治体の上乗せ支援(都道府県・市区町村で差が大きい)

国の制度に加えて、自治体が独自に上乗せの助成を用意していることがあります。内容は地域でかなり差が出るので、居住地の制度をチェックするのが近道です。

自治体制度の探し方(検索語のコツ)

名称も条件も自治体ごとに違うので、まずは次の言葉で検索すると見つけやすいです。

  • 「(都道府県名) 私立高校 授業料 助成」
  • 「(市区町村名) ひとり親 高校 入学 支援」
  • 「(都道府県名) 高校生等奨学給付金」

自治体支援で見落としやすいチェック項目

  • 対象が「私立高校すべて」ではなく、対象校が決まっている場合がある
  • 所得制限があり、世帯状況で判定が変わることがある
  • 申請期限が短い、または年度内でも締切がある
  • 学校経由で申請するタイプと、自治体へ直接申請するタイプがある

【最短で漏れなく申請】母子家庭が私立高校の学費を免除・軽減する“5ステップ”

  • Step1:進学予定の私立高校で「授業料」「入学金」「施設費」「制服/教材/端末」内訳を確認
  • Step2:就学支援金(授業料)…入学後の学校案内で申請(紙 or e-Shien)
  • Step3:高校生等奨学給付金(授業料以外)…都道府県制度を確認し別申請
  • Step4:自治体の上乗せ(授業料軽減・入学支援等)…居住地の制度を確認
  • Step5:入学前の一時金が足りない…福祉資金・生活福祉資金など貸付を相談

(重要)読み間違いを防ぐために:確認しておきたいポイント

① 最終的な条件は「学校の案内」と「自治体の公式情報」で確認する

制度は年度や自治体で変更されることがあります。申請のしかたも学校によって違う部分があるので、学校から配布される案内と、自治体の公式情報で最終確認してください。

② 「授業料」と「授業料以外」は制度が違う

授業料は就学支援金、授業料以外は奨学給付金…というように、目的が違います。片方だけ見て「足りるはず」と判断しないのがコツです。

③ 申請期限がある(早めに学校へ確認すると安心)

申請は「いつでもOK」ではありません。配布物に締切が書かれていることが多いので、届いたら早めに確認しましょう。

先に知っておくと失敗しない注意点(よくある落とし穴)

  • 就学支援金は入学後申請で、学校が受け取って授業料に充てる運用が多い
  • 反映前に請求が来て「一旦納付」が必要になる場合がある(返金/相殺は学校運用による)
  • 奨学給付金は別申請(就学支援金とは目的が違う)
  • 自治体支援は地域差が大きい(居住地の制度を確認)

よくある質問(母子家庭×私立高校×免除)

Q. 私立高校の入学金も免除されますか?

A. 就学支援金は主に授業料が対象です。入学金や施設費は別扱いになることが多いので、学校独自の減免や自治体制度、貸付などを組み合わせて考えるのが現実的です。

Q. 就学支援金はいつ申請しますか?

A. 入学後に学校から案内が出ることが多いです。紙申請の場合もあれば、e-Shien(オンライン)を案内される学校もあります。

Q. 就学支援金や助成金は口座に振り込まれますか?

A. 保護者の口座に振り込まれるというより、学校が受け取って授業料に充てる運用が多いです。学校の案内で確認してください。

参考リンク・確認先(最終的にはここで最新情報を確認)

まとめ:母子家庭の私立高校「免除」は、費用を分けて制度を組み合わせると現実的になる

母子家庭でも、私立高校の学費は制度を組み合わせることで負担を大きく減らせます。まずは「授業料(就学支援金)」、次に「授業料以外(奨学給付金)」、最後に「入学金・初期費用(自治体・学校・貸付)」の順で整理すると迷いにくいです。

※重要:制度は年度や自治体で変更されることがあります。必ず公式情報で最新条件を確認してください。

最終更新日:2026年1月21日

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