今は学習塾の時代とも言われていますよね。行きたい学校に行くには学校の勉強だけでは足りなくて、受験校に合った勉強を教えてくれる学習塾が、日本中で人気になっています。
また、毎日に学校の授業についていけず取り残されている子供の中には、学習塾に行って頑張っている子もたくさんいます。
学習塾に行くにはお金がかかりますよね。入学金や月謝のほかにも、テキスト代などの教材費もかかります。昔は学習塾の数も少なく、大学受験を目指す塾がほとんどで塾代も高かったのですが、今は学習塾の数も増えてきてくれたおかげで、ずいぶんと安くなりました。
それでも経済的に苦しい家庭の多い母子家庭の方にとっては、学習塾の費用も大きな負担でしょう。そのためか、学習塾に行かせたいと思っても行かせることができず、子供が学校の授業についていけなくなって学校に行くのがイヤになってしまった、希望する学校は無理そうなので、今の学力で行ける学校にしなくてはいけなくなった、というケースは少なくありません。
しかし、母子家庭をはじめとするひとり親家庭が増えてきたことから、最近になって、母子家庭などを対象にした割引制度をとっている学習塾が出てきました。最初は地域の学習塾が子育て支援として始めたようですが、その流れが広がり、全国に展開しているような大手の学習塾でも割引制度を取り入れるようになりました。
そこで母子家庭に割引をしてくれる学習塾について、色々と調べてみました。
母子家庭に割引をしてくれる学習塾とは?
母子家庭に割引をしてくれる学習塾とは、その学習塾が独自に用意している割引のことです。
現在、母子家庭などのひとり親家庭のための支援制度はたくさんあり、その多くは国や自治体、市町村が運営し、支給しています。公的な制度なので手続きが面倒であったり、支給を受けるための細かい条件はありますが、条件にあてはまれば確実にもらうことができます。支給される金額も、地域による物価の差等で変わりますが、決まった金額をもらうことができるようなっています。
それに対して学習塾の割引では、その学習塾が独自に用意していることから割引額は学習塾ごとにばらばらで、割引になる対象もまちまちです。一方で、手続きが簡単なところはどの学習塾も同じで、申し込みする時期や割引を受けられるタイミングも公的な支援とは違い、柔軟に対応してくれます。
次に、学習塾で割引を受けられる条件について、見ていきます。
母子家庭で学習塾で割引を受けられる条件
母子家庭で学習塾で割引を受けられる条件は、以下の通りです。
・母子家庭であり、そのことを証明できること
母子家庭の多くが支給を受けている児童扶養手当や、母子家庭であることがわかる内容になっている戸籍謄本などで、母子家庭であることを証明できます。
実は割引をしてくれる学習塾のほとんどは、この条件にあてはまるだけで受け付けてくれます。中には子供の成績がある程度よくないと割引が受けられなかったり、勉強する意欲を確認する塾もありますが、そこまで見るのは学習塾でも少数派でしょう。
次は、一番気になる割引額です。
母子家庭の学習塾の割引額
先にも述べましたが、母子家庭の学習塾の割引額は学習塾ごとにまちまちです。そこで実際にいくつかの塾について、割引額を調べてみました。
ITTO個別指導学院
北海道から沖縄まで全部で1160を超える校舎を展開する全国的な学習塾で、今人気の個別学習塾です。小学生・中学生・高校生を対象にしており、講師1名x生徒3名か、講師1名x生徒1名のどちらかを選んで入塾します。
授業料は校舎ごとに違うので、各校舎に問い合わせることになっていますが、母子家庭の方への割引率は共通になっています。
・入会金:半額免除
・通常授業料:5%割引
また、これは母子家庭の方に限ったことではありませんが、ほかの塾からかわってきた場合は初年度の年会費が免除になるのも助かります。
スタートプラス
東京都杉並区高円寺北のある少人数の学習塾です。小学校5年生から中学校3年生までが対象で、割引率は小学生、中学生とも共通です。
・入会金:無料
・年会費:無料
・授業料・季節講習:20%割引
学習塾ドリーム・チーム
大阪、京都、兵庫のほか、滋賀県、福岡県に校舎があり、小中高生を対象にしている学習塾です。
一番の特徴は中学生のための授業でしょう。各校舎ごとに1つの中学校だけを専門的に個別指導してくれるんですよ。これはつまり、子供の通う中学校に合わせてテスト勉強をしてくれるので、成績が上がりやすい、っていう大きなメリットがあります。
料金は、十分な学習量を確保できるように、という塾の方針で、大手の学習塾より割安で、兄弟姉妹割引や母子家庭割引、転塾割引などの割引も充実しています。
割引率は校舎や時期によって変わるので、直接問い合わせすることになります。電話か、ホームページの「お問い合わせフォーム」から簡単に確認することができますよ。
渡塾
大阪、兵庫の校舎のある、母子家庭出身の方が立ち上げた学習塾です。
「母子家庭に優しい学習塾」としてNPO法人が運営していて、第三者から助成金や寄付金を集めることで、経済的に苦しい母子家庭の負担を少なくしてくれています。
母子家庭への割引は、
・入学金:5,000円割引
・授業料:33%割引
となっています。
進学ゼミ個別
大阪、奈良に校舎のある個別指導の学習塾で、小中高生を対象にしているほか、プログラミング教育のコースがあるのがこの塾の特徴です。
この先、プログラミング教育は小学校にも広がってくることが予想されるので、この塾はそれを先取りしてますね。
母子家庭の方への割引は、
・授業料:10%免除
となっています。
SHOSHIN
中学受験対策、高校受験対策に力を入れている神奈川にある学習塾です。
受験対策の塾ですが、実はそれだけではありません。一番の特徴は、SHOSHIN Plusという小学1年生からのアフタースクールコースではないでしょうか?
アフタースクールコースでは、なんと女性スタッフが学校まで迎えに来てくれて、知育・徳育を発達させるプログラムで夕方まで面倒を見てくれるんですよ。さらに夕方以降はSHOSHINのスタッフが学習指導にあたり、私立中学受験に対応できる学力の養成もしてくれます。いわば、「学童が一緒になった塾」ですよね。
母子家庭の方への割引は、
・学費:20%免除
となっています。
早稲田スクール
熊本県にあり、「合格力」をつけることを目的にした学習塾です。
私語のない真剣な授業をモットーにしていて、地元の有力高校への合格No.1の実績があるすごい塾です。それでいて勉強だけじゃなく、人間力の向上を目指した指導もしてくれるのが特徴です。
母子家庭の方への割引ですが、随時変更になるので直接聞いて確認することになります。
まんてん塾ふくしま教室
ふくしまという名前がつきますが、岡山県にある学習塾です。
授業内容、教科書を楽しくわかりやすく指導してくれる学習塾で、受験対策というより、毎日の学習を助けてくれる塾ですね。脳活タイムと言って、勉強の基礎体力を付けるため、思考に関する前頭葉のトレーニングがあるのがこの学習塾の大きな特徴でしょう。
母子家庭の方への割引は、
/
・授業料:10~25%割引(授業のコマ数に応じます)
となっています。
秀学ゼミナール
神奈川県横浜市にある、「できるまで繰り返す」をモットーにしている学習塾です。
受験対策がおもな目的で、「授業・家庭学習・土曜補習」を学習の三本柱として学習の土台を築きあげていく指導方針です。いかにも厳しい塾、っていう感じですね。
コースには、小学生普通クラス、中学受験クラス、中学普通クラス、別指導部があり、母子家庭の方への割引があるのは小学生普通クラスと中学普通クラスで、割引額は
・月謝:1/4割引
となっています。
ただこの塾では、母子家庭なら誰でも割引があるわけではありません。条件があって、
・成績が5教科18/25程度であること。
・意欲を持って学習に励む者 ・遅刻、欠席が無い意欲あるゼミ生であること。
にあてはまらないと割引が受けられません。二番目はともかく、最初の条件はきついですよね。そういう面でも、ここは厳しい学習塾です。
IKUTO自立型個別学習塾
京都にあり、「すらら」という文部科学大臣賞受賞の学習カリキュラムを教材にしている学習塾です。
「すらら」とは、「わからないところがわからない」という勉強が苦手な生徒の悩みを解決するための教材で、授業についていけない原因となっている「学習の穴」を発見することで、学習計画を立てやすくしてくれるのが特徴です。
確かに「わからないところがわからない」というのは、子供に聞くとよくある答えですよね。それを見つけてくれるのは、親として本当に助かりますよね。
母子家庭の方への割引は
・授業料:10%割引
となっています。
母子家庭の方に割引してくれる塾はまだまだありますが、割引の相場はだいたい、授業料・月謝が10~20%くらいですね。
今まで見てきた中に、街中で見かけたり、よく耳にする大手の学習塾がほとんどありませんよね。ホームページにも書いてないし、ネットを調べても出てきません。では、大手の学習塾には割引はないのでしょうか?
大手の学習塾の割引
大手の学習塾にも割引はあります。しかしその多くは兄弟割引であったり、入学費用の無料キャンペーンなどで、残念ですが、母子家庭やひとり親家庭に限定した割引をしてくれる塾はほとんどありません。
大手の多くが全国に校舎があるので、ある地域の校舎に限定して割引してくれるところも中にはあるという話は聞きますが、基本は母子家庭の割引はないようです。
以上、母子家庭に割引をしてくれる学習塾がないか色々と調べてみましたが、大手より、地域に密着した学習塾に割引が多いことがわかりました。
大手は確かにネームバリューもあっていい塾のようなイメージがありますが、地域に密着した塾であってもいい塾は沢山ありますよね。近くに気になる塾があるというのであれば、思い切って問い合わせしてみたらいかがでしょうか?