母子家庭の大学進学には経済的な不安がありますが、2025年度の無償化制度を使えば、授業料の負担を大幅に減らすことが可能です。本記事では、制度の対象となる年収・必要書類・申請の流れまで、母子家庭の方に向けて分かりやすく解説します。
- 1. 高等教育の修学支援新制度とは
- 2. 支援対象になる年収・資産の目安
- 3. 申請に必要な書類一覧
- 4. 申請の流れとスケジュール
- 5. よくある質問Q&A
- 6. まとめ:申請前の確認ポイント
- 7. 関連記事・参考情報
1. 高等教育の修学支援新制度とは
大学無償化制度(正式には「高等教育の修学支援新制度」)は、家庭の経済状況に応じて授業料減免や給付型奨学金を受けられる制度です。
【2025年度の注目ポイント】
多子世帯向け支援が拡充され、第2子以降の授業料減免割合が見直されました。これにより、2人以上の子を持つ母子家庭にも支援が届きやすくなっています。
母子家庭であっても、要件を満たせば対象となります。
支援の対象校は、国公立・私立の大学、短期大学、高等専門学校、専門学校などです。制度の詳細については、以下の記事でも詳しくまとめています。
2. 支援対象になる年収・資産の目安
支援の対象となるかは、世帯の年収と資産によって判断されます。母子家庭の場合、住民税非課税世帯に該当すれば、最も手厚い支援が受けられます。
目安として、子1人・母1人世帯で年収270万円未満なら非課税に該当する可能性があります。
3. 申請に必要な書類一覧
申請には以下の書類が必要になります。提出先やタイミングによって異なる場合もあるため、進学予定の学校からの案内を必ず確認してください。
- 本人のマイナンバー
- 住民票
- 所得証明書(課税証明書)
- 家計急変がある場合は証明書類
各書類の取得方法や注意点については、巻末の関連記事・参考リンクも参考になります。
あなたの世帯は対象?
進学資金シミュレーターを使えば、大学無償化制度の支援対象かどうか、すぐに確認できます。
※結果が「対象の可能性あり」と表示された方は、次に「申請の流れ」へ進んで準備を進めましょう。
4. 申請の流れとスケジュール
大学無償化の申請は、JASSO(日本学生支援機構)への申し込みと、進学先の学校での手続きが必要です。以下のような流れになります。
- 高校在学中に「進学前予約型」の申し込み
- 必要書類をそろえてJASSOに提出
- 進学先での進学届を提出
スケジュールは毎年異なりますので、JASSOの公式サイトおよび高校からの配布資料をもとに確認してください。
以下は一般的な高校3年生向けの「進学前予約型」申請スケジュールです。

区分 | 世帯年収目安(母+子1人) | 授業料減免額 | 給付型奨学金(月額) |
---|---|---|---|
第Ⅰ区分(住民税非課税) | 〜270万円 | 全額免除 | 約38,300円 |
第Ⅱ区分 | 〜300〜350万円 | 2/3免除 | 約25,600円 |
第Ⅲ区分 | 〜380〜400万円 | 1/3免除 | 約12,800円 |
※支給額は自宅通学・大学種別(国公立・私立)・進学形態により変動します。詳しくは進学予定の学校またはJASSOの資料をご確認ください。
2025年度(高校3年生向け)スケジュール例
- 2024年12月:進学資金シミュレーターで対象か確認
- 2025年4月:高校から申請案内を受け取る
- 2025年6月末:進学前予約申請の提出期限(高校によって異なる)
- 2025年9月:内定通知
- 2026年4月:進学後に進学届を提出し、給付開始
- 高校2年の冬までにJASSOの制度内容を確認
- 高校3年の春〜初夏に「進学前予約型」の案内を受け取る
- マイナンバー・所得証明書などを市役所等で準備
- 高校指定の期日までに申請書類を提出
- 秋〜冬に内定通知を受け取る
- 大学入学後、進学届を提出(支給開始)
注意点として、「申請=自動的に支給される」わけではありません。書類の不備や締切遅れがあると不支給になる可能性があります。高校やJASSOからの案内をしっかり確認し、余裕をもって準備を進めてください。
また、支援決定後も毎年「継続願」が必要です。成績不振や単位不足で打ち切られるケースもありますので、進学後も制度利用のルールを守ることが大切です。
5. よくある質問Q&A
Q. 非課税証明書はどこで入手できますか?
Q. 非課税証明書はどこで入手できますか?
Q. 高校2年生の段階で準備しておくことは?
6. まとめ:申請前の確認ポイント
大学無償化制度を利用するには、「対象となる年収かどうか」「必要な書類は揃っているか」「申請のスケジュールは押さえているか」が重要です。
制度を正しく理解し、準備を進めることで、母子家庭でも安心して進学を目指すことができます。今のうちにできることから始めておきましょう。
申請に必要な書類、もう一度確認しませんか?
必要書類を確認する