母子家庭で児童手当などを受け取っている場合、気になる点の1つが、複数の子供がいて上の子が就職したらど手当はどうなるのか、でしょう。
実際にどのような対応が必要になるかは、個々の状況に応じて異なります。そのため状況に合わせて、母子家庭と上の子が就職した場合の対応について考えていくことが大切です。
例えば上の子が中学校を卒業してすぐに就職した場合、児童手当が受け取れなくなるのでは?と心配になりますよね。
また児童手当のほかにも児童扶養手当など、母子家庭で受け取れる色々な支援制度をそのまま利用できるのか、これは収入に大きく影響してくるので、知っておきたところです。
そこでここでは、母子家庭で子供が2人以上いて上の子が就職したとき、下の子の手当はどうなるのか、もらえなくなってしまうのか、確認していきたいと思います
母子家庭で上の子が就職、児童手当はどうなる?
児童手当というのは、0歳から15歳までの子供に対して支給される手当となっています。支給の対象は母子家庭に限定されてはおらず、日本国民全員が対象です。
つまり、上の子が中学校を卒業して就職するかどうかは関係なく、児童手当は中学校を卒業したら受け取ることができなくなる手当、ということです。
上の子が就職したとしても、下の子が中学生以下であれば、継続して受給できます。
母子家庭で上の子が就職、児童扶養手当はどうなる?
児童手当のほかに、子供が18歳になるまで母子家庭で受給が可能な手当として、児童扶養手当や児童育成手当があります。
児童扶養手当や児童育成手当で注意したいのは、対応は自治体ごとに受給できる条件が異なることがあり、ある自治体では受給できても別の自治体では受給できない、ということが起こります。
そのため、ご自身がこの制度を利用することができるかどうか、あらかじめ自治体に確認する必要があります。
では、もし児童扶養手当や児童育成手当を受給していた場合、上の子が就職したら、受給できなくなるのでしょうか?
児童扶養手当や児童育成手当は、基本的には扶養する側、母子家庭の場合は母親の収入によって受給できるかどうかが決まります。決められた金額以上の収入がある場合には手当がなくても扶養が可能と判断されからで、各種手当は受給することはできません。
上の子が就職した場合、母親の分の収入とその子の収入を合算して手当が受給できるか判断されるのでは、思っている方もいるかもしれません。
確かに働き始めた子供の収入は所得の対象とはなりますが、母親の収入と合算されることはなく、引き続いて母親のみの収入で判断されるので、受給がなくなることはありません。
ただし、母親の収入と子供の収入、どちらが多いかで受給がなくなることがあるので、注意が必要です。
具体的には、母親の年収より就職した上の子の収入が少ないという場合であれば、下の子の分の手当は今まで通り受け取ることが可能です。
一方で、上の子の収入が母親より多くなることもあるでしょう。
その場合、母親より就職した上の子の収入が多く、手当が支給される所得の条件を超えるようであれば、下の子を扶養するために十分な収入があるとみなされます。
つまり就職した上の子の年収次第では、今まで通りに下の子の手当が受け取れなくなる可能性もあるのです。
母子家庭で上の子が就職、生計が別なら手当はどうなる?
上の子が就職した場合、下の子の手当の受給に影響を与えるかどうかは、その子が独立しているかどうかでも変わってきます。
母親より就職した上の子の収入が多い場合、母親と同一世帯で生活しているのであれば、下の子の児童扶養手当などの受給に影響を与えます。そして影響がある場合、手当は減額ではなく支給停止となる場合がほとんどです。
また、母親世帯と同居ではなく、就職して家を出るという場合もあるでしょう。
家を出て別生計で生活をしているのであれば、上の子の就職が、弟や妹の児童扶養手当や児童育成手当に影響を与える心配はありません。引き続き、母親の収入だけで受給が可能かどうか判断されます。
子供の収入だけではなく、同一生計かどうかも手当の受給に影響を与えることを忘れないようにしましょう。
母子家庭で上の子が就職、その子が18歳未満だったら?
児童扶養手当や児童育成手当は、子どもが18歳になるまで受け取ることができる手当です。そのため、中学校を卒業した子どもがすぐに働き始めても、児童扶養手当や児童育成手当を受け取ることができるのでは?と思う方もいるかもしれません。
実際はどうなのでしょうか?
たとえば、子供が独立して自分の収入で生活をしているというのであれば、手当を受け取ることはできません。18歳未満であっても母親世帯とは別生計になるからです。
ただし、子供は高校生でアルバイトを始めたという状況であれば、子供が独立して生計を成り立たせているとみなされる心配はまずありません。高校生がアルバイトをしたとしても、年収は103万円以下という場合がほとんどだからです。
逆に言うと、103万円以下の収入に抑えられている場合であれば、上の子が18歳未満で働き始めても、母親の扶養から外れることはありません。
つまり子供が働くようになった場合でも、親の扶養の範囲内というケースであれば、今まで通りに各種手当を受け取ることが可能です。
母子家庭で上の子が就職、自治体への申請を忘れずに
上の子が就職し親の扶養から外れることになったら、自治体などにそのことを申請する必要があります。
具体的にどのような手続きが必要になるかですが、現在受給している手当の種類と自治体によって違いがあるため、上の子が就職して母子家庭の状況が変わることになった場合は、どのような手続きが必要になるのか、自治体に相談するようにしましょう。
就職した子供の年収や、これからの暮らしによって各種手当が受け取れるかどうかが変わってくることもあるため、正しい情報を得るためにも自治体などで相談するのが賢明でしょう。
手当の内容は自治体ごとに異なるものも存在しているからこそ、自己判断だけで対応して損をせずに済むようにしたいですよね。
また、もし就職して受給資格を失くしたにもかかわらず、上の子の手当を受け取り続けてしまうと、不正受給とみなされてしまいます。
不正受給となると、受け取った手当の返還だけでなく、罰金などの対応を求められることもあります。そうならないように、正しい情報を得たうえでどのような対応が必要になるのか、しっかり把握することが大切です。