母子家庭で児童扶養手当を受ける場合、気になるのがいつまでもらえるか、ではないでしょうか。
子供が成長し進学するに従って、かかる学費や生活費は確実に増えていきますよね。十分な収入のある家庭なら問題ないかもしれませんが、母子家庭に限らず、経済的に苦しい家庭では、子供の成長は何物にもかえがたいものの、家計の負担は重くなってきます。
児童扶養手当は、経済的に苦しい世帯を支援してくれるとてもありがたい制度ですが、ではこの児童扶養手当はいつまでもらえるか、それによっては子供の進学の道にも左右する可能性があるので、正確に知っておきたいところでしょう。
そこでここでは、児童扶養手当はいつまでもらうことができるのか、児童扶養手当の支給内容などと一緒に詳しく解説していきますので、是非参考にして下さいね。
児童扶養手当とはどんな手当?
まず児童扶養手当とはどんな手当なのか、ご存じの方もいるかもしれませんが、あらためて見ていきます。
厚生労働省のホームページでは、児童扶養手当は次のように解説されています。
目的
離婚によるひとり親世帯、父または母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するため、当該児童について手当を支給し、児童の福祉の増進を図る。
支給対象
支給対象から児童扶養手当がいつまでもらえるかがわかります。詳しくは後述します。
該当する児童を監護する母、監護し、かつ生計を同じくする父または養育する物(祖父母等)。
支給要件
父母が婚姻を解消した児童、父または母が死亡した児童、父または母が一定程度の障害の状態にある児童、父または母の生死が明らかでない児童などを監護等していること。
手当額
例として、母子家庭で扶養する子供が一人の場合の手当額です。
所得額(年額) | 手当額(月額) |
57万円 | 42,360円 |
100万円 | 34,320円 |
130万円 | 28,710円 |
160万円 | 23,090円 |
190万円 | 17,480円 |
220万円 | 11,870円 |
次に、児童扶養手当はいつまでもらえるのか、見ていきます。
児童扶養手当はいつまでもらえる?
児童扶養手当は子供が高校を卒業するまでもらうことができます。正確に言うと、18歳になった年度の3月31日まで、となっています。子供に障害がある場合は、子供が20歳になるまでもらうことができます。
ただし、誰もが子供がその年齢になるまで児童扶養手当をもらうことができるわけではありません。
児童扶養手当のそもそもの目的は、生活の安定と自立の促進です。つまり、何らかの方法で安定した収入を確保することが、支給を受ける世帯には求められることになります。
そのため、もし児童扶養手当の受給から5年、もしくは7年経ったとき(児童扶養手当ごもらえることになった事由による)、特別な理由もなく何も仕事をしていない場合は、支給金は減額される可能性があります。
減額される金額は、所定の半額です。
母子家庭の方は働いている方がほとんどだと思いますので、子供が高校を卒業するまでと考えておくとよいでしょう。
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの児童を監護するひとり親なら児童扶養手当の対象で、母子家庭・父子家庭・父母に代わって養育している祖父母なども対象です。
児童扶養手当はいつまでもらえるかを考えておかないと、子供が高校を卒業してからは手当は貰えなくなるので、経済的な負担は増えます。
子供が高校を卒業してすぐに働くなら別ですが、例えば大学などに通うとなると児童扶養手当の分は減り、大学の教育費の負担が大きく増えることになるため、その分の学費も用意しておかないといけません。
以上、児童扶養手当がいつまでもらえるかを見てきましたが、実際にはそれだけでなく、いつからもらえるのかも気になりますよね。
そこで次は児童扶養手当はいつからもらえるか、見ていきましょう。
児童扶養手当はいつからもらえる?
児童扶養手当は基本、申請した翌月から支給されることになっていますが、注意が必要なのは、支給は毎月ではなく2ケ月に1回、ということです。
つまり、実際に児童扶養手当を受け取れるのは年に6回、奇数月に2ヶ月分まとめてとなっています。
11月から12月分は1月に支給、1月と2月分は3月、3月と4月分は5月、5月と6月分は7月、7月と8月分は9月、9月と10月分が11月になります。
給与と違い、毎月ではないので注意が必要ですね。
手続きをした次の月から支給の対象になるので、例えば月末で離婚が成立した場合、離婚後にすぐに手続きができるように事前に必要書類などを揃えておき、申請が出来るようにしておくといいでしょう。
申請をすると審査(確認)があり、認定をされてから支給、という段取りになりますが、支給まで時間がかかることもあります。そのため、仕事をしていて収入があるならいいですが、もし無収入の場合は、支給まで暮らしていくだけの貯蓄も必要になってきます。
また、離婚後に両親と兄弟姉妹など同居している家族がいるときは、扶養義務者として所得を確認され、離婚後間がなくて母親が働ける状況でなくても、同居している両親に収入があると、児童扶養手当が受けられない場合もあります。
児童扶養手当が所得制限にかかる場合には、かわりに「ひとり親医療費助成」は受けられることもあり、内容や所得制限基準は自治体ごとに違うので、児童扶養手当とは少し基準が異なってます。
児童扶養手当は全部支給と一部支給があり、全部支給は算出された受給資格者本人の所得が、所得制限限度額での全部支給の範囲なら手当を満額受けられるものです。
一部支給は、算出した受給資格者本人の所得が所得制限限度額の全額支給は超えていて、一部支給の範囲内の人が対象です。一部支給だと手当の一部が停止されるので支給停止通知が交付されます。
児童扶養手当と児童手当は、いつまでもらえるか違う?
児童扶養手当とよく似た手当に児童手当があります。
児童手当は家庭の生活の安定に寄与するのと、次の世代の社会を担っていく児童の成長に役立てるもので、児童手当法に基づいて支給されているため、対象は中学校修了までの国内に住所がある児童となってます。
対象の児童を監護していて生計要件を満たす父母、児童が入所する児童養護施設の設置者などが受給対象です。
こちらにも所得制限があり、例えば夫婦とと子供2人の世帯で年収が960万円から1,200万円未満だと特例給付となり、支給月額は少なく一律で5,000円となります。
行っているのは市町村で、2月・6月・10月に4か月分支給されます。
児童扶養手当と児童手当、名前も似ていて同じように感じますが、対象となる年齢が違い、いつまでもらえるかも違います。
児童手当だと中学修了前までの子供が対象ですが、児童扶養手当は長く18歳に達した最初の3月31日までで、期間がかなり長いです。
また受給者の対象も違っていて、児童手当は対象の子供を養育している人が対象で二人親の世帯も受けられますが、児童扶養手当は母子世帯または父子世帯で二人親の家庭だと受けられない、という違いがあります。
母子家庭を支援してくれる制度は色々ありますが、細かい違いまで知っておけば、本来受けられるはずの支給を忘れていた、ということはなくなりますよね。