みなさんは、学習塾の「明光義塾」をご存じでしょうか。
明光義塾は全ての都道府県に校舎を持ち、小学生から高校生までの全学年を対象とし、全教科に対応する個別指導塾です。
学習塾、個別指導塾は今はたくさんありますが、明光義塾はその中でも、満足度が保護者の約9割にもなる塾で、苦手科目を克服できた、学習の習慣がついた、やる気がアップした、などの結果を出し続けています。
子供を学習塾に通わせたい、そう思うのは母子家庭でも同じですよね。でも問題は塾の費用。評判の塾はどうしても塾の費用がかかり、簡単には決めることができません。
学校などでは母子家庭などのひとり親を対象にした支援制度、補助制度がありますが、塾ではあまり見当たりません。あっても兄弟割引など、特に母子家庭を意識されたような制度はないのが一般的と言う感じでした。
そんな中、今回、明光義塾が母子家庭を対象とした割引制度を行っているという噂を聞きました。もし本当なら、是非検討したいですよね。そこでどのような制度なのか調べてみました。
明光義塾に母子家庭対象の割引は本当に存在する?
まずは、本当に母子家庭を対象とした割引制度が存在するのかを調べて見ました。
明光義塾のホームページや口コミサイトなどを隅々まで確認した結果からいうと、そのような割引制度の存在は確認できませんでした。やっぱり母子家庭の割引はないんだ…
しかし調査対象をニュース記事に広げると、2014年のある記事を発見しました。
その記事には、
明光義塾を運営する明光ネットワークジャパンが「一般社団法人 明光教育研究所」を設立した
と書かれていました。さらに、その法人の設立理由には、母子世帯の児童に対する教育費の援助が掲げられていたのです。そして、「明光教育研究所」のホームページには、母子家庭をはじめとするひとり親家庭を対象とした教育支援制度が確かにありました。
明光義塾の母子家庭の割引、教育支援制度とは?
この教育支援制度は、母子家庭やひとり親世帯など、家庭の事情で学習意欲の強い子供が教育を受ける機会を失うことがないよう援助する制度で、「給付奨学金」と言います。
教育支援制度の内容
この制度の対象となるのは、条件に当てはまるその年の4月時点で高校生や大学生、及びそれに準じた学齢の生徒(専門学校や短期大学生など)です。
残念ながら小学生や中学生、大学院生は、家庭の事情に関係なく対象となっていません。また、理由は明記されていませんが、小中一貫校も対象外になっています。
ただし、これは2021年度で、2020年度までは小中学生の応募実績があることから、年度によって見直しがあるかもしれません。
応募資格
応募資格は次のようになっています。
① ひとり親家庭の子供であること。あるいは、ひとり親家庭で生活していたが、世帯分離や進学などによる引っ越しで保護者の援助がない子供。
② 病気やけが、介護などの理由で子供の保護者が働くことができない。
③児童養施設や自立援助ホームなどの施設に在籍している、あるいは、施設は出たが、保護者なしで生活している子供。
④実の親以外の親族や親権者に養育されている子供。
①~④の中で、ひとつでも当てはまれば応募資格があります。母子家庭なら①が該当します。
定員
給付金の支給には定員が設定されています。人数はその年によって変わり、これまでの実績を見ると、少ない年で26人、多い年で130人とかなり幅があります。
奨学金金額
2021年度、2020年度は40~60万円でした。それ以前は30~70万円なので、こちらも年度によって見直される可能性があります。
給付期間
基本は1年ですが、継続支給制度があり、年度ごとに申請し、審査を受けることになります。
奨学金の使用目的
奨学金の使用目的は3つに限定されています。
- 学校の授業料、入学金、給食費、制服代、教科書、参考書など、学校で必要になる費用
- 塾、予備校、家庭教師、通信教育の費用
- 自学のための参考書、問題集、備品なども自学自習用費用
特徴的なのは、2、3でしょう。塾や自習用の費用は、他の奨学金では対象にならないこともあるので、助かりますね。
返済義務
給付型と言う名の通り、返済義務はありません。
学力基準
HPの「助成事例・実績」を見ると、「特にありません」と明記されています。給付型の奨学金では大変珍しいですね。
申請時期
毎年11月に申し込みが始まり、翌年1月が締め切りになっています。母子家庭の方は何かと忙しいので、忘れないようにしましょう。
申し込み方法
申し込み書類を郵送するか、HPからオンラインで申し込むこともできます。(ただしその場合は、申請書類を写真にとり、画像を添付する必要があるので、ちょっと手間です。)
結果の通知
3月末までに「採否通知」が郵送で送られてきます。
他の奨学金の併用
可能です。別の奨学金を受けていても併用することができます。
申請についてはHPで確認できますが、次年度の公募が始まらないと掲載されません。11月に応募が始まるので、9月~10月には掲載されるはずです。
明光義塾の母子家庭を対象とした割引、給付金制度が正しい
明光義塾に母子家庭を対象とした割引はある、という噂は間違いでした。
正しくは、母子家庭に限らず経済的に厳しい子供達に対する手厚い給付金制度がある、でした。
この給付金の一番の特徴は、審査における学力基準が設定されていないことでしょう。母子家庭にとっても申し込みやすい支援制度ではないでしょうか。