NHKの受信料はほとんどの家庭では支払っていると思います。テレビがあればNHKは見る機会はありあすから、その必要性はともかくとして、決められたこととして払っていますよね。
受信料の支払いは、家庭によってはそれほど負担ではないかもしれませんが、経済的に苦しい母子家庭などの家庭では、結構な負担になってくるでしょう。
母子家庭には利用できる経済的な支援は色々とありますが、その中に、NHKの受信料があることをご存じでしょうか?NHKの受信料は、決められた条件に当てはまる世帯であれば、実は免除になる制度があるんです。
ただこの制度、実はあまり知られていません。そこでここでは、その免除制度の詳細や申請方法、必要な書類などを詳しく解説します。
NHK受信料免除の基準と母子家庭
母子家庭でNHK受信料が免除されるかどうかは、収入や生活状況によります。また、NHK受信料の免除は、全額免除と半額免除の2種類があります。
NHK受信料の全額免除と半額免除の条件
全額免除の条件
- 生活保護を受給している世帯
- 市町村民税非課税で身体障害、知的障害、精神障害を含む世帯
- 奨学金受給対象等の親元から離れて暮らす学生
- 社会福祉施設、学校等
半額免除の条件
- 視覚または聴覚障害者が世帯主で且つ受信契約者となっている世帯
- 重度(1級または2級)の身体障害者が世帯主で且つ受信契約者の世帯
- 重度の知的障害者と判定された方が世帯主で且つ受信契約者の世帯
- 重度(1級)の精神障害者が世帯主で且つ受信契約者の世帯
- 重度(特別項症から第1款症)の戦傷病者が世帯主で且つ受信契約者の世帯
この条件からわかるように、母子家庭、いわゆるシングルマザーというだけではNHK受信料を免除・割引してもらうことはできません。NHKが定める受信料免除規定の中に、「母子家庭の世帯」という枠は特に設けられてはいないのです。
ただし、母子生活支援施設に入居している母子家庭世帯はNHK受信料が免除されます。これらの施設は、NHKが規定した全額免除の対象となる社会福祉施設に含まれるからです。
NHK受信料免除の申請方法
NHK受信料の免除を受けるためには、申請が必要です。必要な書類を準備し、手順を一つ一つ確認していくことで、スムーズに進めることができます。
免除申請の資格を確認する
NHK受信料の免除申請を行う前に、まず自身が免除の対象となる資格があるかを確認します。「NHK受信料免除の基準と母子家庭」で解説した条件にご自身の世帯が該当するかどうか、確認して下さい。NHKの公式ウェブサイトでも確認できます。
自治体で免除事由の証明を受ける
免除申請の事由が確認できたら、次にお住まいの自治体で免除事由の証明を受けます。これは、免除申請の根拠となる公的な証明書を取得するための大切なステップです。
生活保護を受けている場合は生活保護受給証明書、市町村民税が非課税である場合は非課税証明書が必要となります。これらの証明書は各自治体の窓口で申請し、発行してもらいます。
必要な書類を準備する
NHK受信料の免除申請を行うためには、自身の状況に応じた必要な書類を準備する必要があります。以下に、全額免除と半額免除それぞれの対象者と、それぞれが準備すべき書類を詳しく説明します。
全額免除の対象者
全額免除の対象者は以下の通りです。それぞれに必要な書類を準備します。
- 生活保護受給者:生活保護受給証明書
- 障害者:障害者手帳の写し
- 特定疾患の患者:医師の診断書
- 社会福祉施設入所者:入所証明書
- 全ての申請者:住民票(全世帯員分)、市町村民税非課税証明書(全世帯員分)
これらの証明書は、各自治体の社会福祉課や福祉課、または医療機関などで発行してもらうことができます。住民票と市町村民税非課税証明書は市区町村の役場で取得します。
半額免除の対象者
半額免除の対象者は以下の通りです。それぞれに必要な書類を準備します。
- 税法上の非課税者:市区町村から発行される課税証明書または非課税証明書
- 学生:学生証の写しと奨学金の受給証明書
- 全ての申請者:住民票(全世帯員分)
これらの証明書は、各自治体の税務課や学校、または奨学金を発行している団体に申請して取得します。
申請書を入手する
NHK受信料の免除申請書は、NHKの各放送局や市区町村役場でも配布されています。最寄りのNHK放送局やお住まいの市区町村役場に問い合わせて、申請書を入手しましょう。
申請書と必要な書類を郵送する
申請書に必要事項を記入し、必要な書類を添付したら、NHKに郵送します。申請書と免除の対象となる事由を証明するための書類を一緒に封筒に入れ、封筒の表面に「受信料免除申請書在中」と明記し、NHKに送付します。
申請書はNHKの受信契約者サービスセンターに直接持ち込むことも可能です。また、一部の自治体では、市町村役場でも申請書を受け付けています。詳細は各自治体のウェブサイトや窓口で確認してください。
郵送の際は、書留郵便で送ることをおすすめします。これは、書類が途中で紛失することを防ぐためです。書留郵便であれば、郵便物の配達状況を追跡することができ、万が一の事態に備えることができます。
申請の受理を待つ
申請書と必要な書類を送った後は、NHKからの返答を待つことになります。返答は、申請書を送った日から数週間後に届くのが一般的です。
その間、NHK側で申請書と書類の内容を確認し、免除の可否を判断します。この結果によって、今後のNHK受信料の支払い方法が決まります。また通知には、免除がいつからいつまで適用されるかが記載されています。
なお、申請が受理されなかった場合や申請に関する疑問がある場合は、NHKのカスタマーサービスに問い合わせてください。
注意点
NHK受信料の免除申請には、いくつかの注意点があります。まず、申請書に記入する際、誤りがないように十分注意してください。間違った情報が記入されていると、申請が通らない可能性があります。
次に、必要な書類を一緒に送ることを忘れないでください。申請書だけでなく、免除の資格を証明するための書類も必要です。これらの書類が揃っていないと、申請は受け付けられません。
また、申請書と必要な書類を送る際には、書類が損傷しないように適切な封筒を使用し、追跡可能な方法で送ることをおすすめします。
最後に、申請が通った後も、状況が変わった場合(例えば、収入が増えて免除資格を失った場合など)は、再度申請をするか、NHKに連絡をする必要があります。これらの手続きを怠ると、後で問題が生じる可能性があります。
公的扶助を受ける母子家庭とNHK受信料免除
公的扶助を受けている母子家庭は、NHK受信料の免除を受けることができます。公的扶助とは、生活保護や障害者福祉など、国や地方公共団体から経済的な支援を受けている状態を指します。
公的扶助を受ける家庭のNHK受信料免除の詳細
公的扶助を受けている母子家庭は、NHK受信料の全額免除を受けることができます。生活保護を受けている場合や、障害者福祉を受けている場合など、公的扶助の対象となっている家庭は、NHKに申請を行うことで受信料が免除されます。申請には、公的扶助を受けていることを証明する書類が必要となります。
非課税者の身体障害者・知的障害者・精神障害者とNHK受信料免除
条件のところでも解説しましたが、非課税者の身体障害者・知的障害者・精神障害者も、NHK受信料の免除を受けることができます。非課税者とは、所得が一定の基準以下で、市町村民税が課税されない状態を指します。
非課税者の障害者が知るべきNHK受信料免除の基準
非課税者の身体障害者・知的障害者・精神障害者がNHK受信料の免除を受けるためには、障害者手帳を所持していることが条件となります。また、所得が一定の基準以下であることも必要です。具体的な所得基準は、市町村や年度によって異なるため、最新の情報を確認することが重要です。
社会福祉施設に入所する母子家庭とNHK受信料免除
社会福祉施設に入所している母子家庭も、NHK受信料の免除を受けることができます。社会福祉施設とは、児童養護施設や障害者支援施設など、社会福祉法人が運営する施設を指します。
社会福祉施設に入所する家庭のNHK受信料免除の詳細
社会福祉施設に入所している母子家庭は、NHK受信料の全額免除を受けることができます。施設に入所していることを証明する書類と、施設の責任者の署名がある申請書をNHKに提出することで、受信料の免除が適用されます。