母子家庭になってまず真っ先にしなくてはいけないのは多くの人の場合、住居でしょう。
それまで住んでいた家にそのまま住み続けるのか、あるいは出ていくのか、事情によってそこは変わると思いますが、もし出ていくことになった場合、新しく住む所を決めなくてはいけないですよね。
人によっては当面は実家に世話になる、というケースもありますが、実家が遠かったりすると、自分の仕事の関係や子供の学校などのことを考えると、それまで住んでいた家からそれほど遠くない場所で住まいを探すことになります。
そしてその住まいは、多くは賃貸になるでしょう。そうなると、当然家賃をどうするかという新しい問題が出てきます。家賃は安いのに越したことはありませんが、生活に便利な場所にある物件の家賃は安くはありません。
そこで考えたいのが市営住宅です。
市営住宅は、一般的には収入の多くない世帯のために用意された賃貸住宅で、その名の通り、市が運営している住宅です。同じような住宅に県営住宅などもあります。
市営住宅に入居するためには、家族構成や収入など、決められた条件に当てはまる必要があります。また基本的に抽選で、募集があった希望者は応募して、当選して初めて入居できるようになっています。
抽選なのは人気が高いからで、大抵の市営住宅はいつもほとんど満室で、引っ越しされて空きがでると募集があります。募集の時期は年4回といったように、市によって決まっています。
母子家庭の場合、経済的な事情から家賃の負担の少ない市営住宅に住みたいという方も多いでしょう。
確かに家賃の負担が少ないのは市営住宅を選ぶ一番の理由ですが、それをメリットとするなら、実は市営住宅にはデメリットもあることを見逃してはいけません。
そしてそのデメリットを理解した上で、どの市営住宅を選ぶべきか、あとになって「しまった」ということがないように、応募する前にしっかり判断する必要があります。
この記事では、市営住宅に住む前に知っておきたいデメリットについてご紹介していきます。
母子家庭で市営住宅に応募する前に部屋の中を見たいけど…
「子供と安心して生活していくために、部屋の中を確認しておきたい」という方もいらっしゃるでしょう。実際、ほとんどの方はそう思うのではないでしょうか。
しかし、市営住宅の場合、事前に部屋の中を確認することはできません。デメリットの1つ目が、この市営住宅の部屋の中を確認することができない、という点です。
もちろん、一般的な賃貸であれば、物件を選ぶ時には部屋の中の間取りなどは現地に行って自分の目で見て確認し、これなら大丈夫と分かってから決めることができます。
しかし、市営住宅の場合は、入居が決まるまで部屋の中を確認することができません。
なので、「事前に部屋の中を確認しておきたい」という方にとっては一番のデメリットとなるでしょう。
では、部屋の中を確認する方法はないのでしょうか。
母子家庭で市営住宅に住みたい、部屋の中を確認する方法は?
市営住宅に応募する際、事前に部屋の中を確認する方法は残念ながらありません。
しかし、確認はできませんが、入居の申し込みをする際に指定できる条件もあります。どのような指定ができるのでしょうか。
それは団地や間取り、階数です。
団地はどこにある市営住宅にしたいのか、間取りは、2LDKや3DKなどの一般的な表現、階数は、低層階を指定などです。
指定すれば必ず希望を適えてもらえる、というわけではありませんが、指定しない場合と比べると、より希望の間取りに近づくことになります。
ただ、間取りを指定するときに気をつけておくことがあります。
例えば「子供が小さいうちはワンルームで良かったが、成長したら手狭になった」などと言うことがありますので、もし部屋の間取りを指定するのであれば、子供が成長したときのことを考えておくということです。
しかし、ただ広い部屋を選べば良いということでもありません。それは家賃が部屋の大きさによっても変わって来るためです。子供が成長したときのことを考えて逆に「広い間取りを選んで家賃の負担が大きくなってしまった」ということもあり得るからです。
市営住宅の場合、一旦入居してしまうと、不都合なことがあっても他の部屋に移ることはできません。ですので、あらかじめ部屋の間取りについて、不都合のないよう、「子供が成長したときのこと」や「家賃」について将来の変化についてしっかり考えて間取り決めることが大切です。
「間取りを確認しても最低限住む市営住宅の雰囲気を知っておきたい」という方も中にはいらっしゃるでしょう。そのような場合は、団地が指定できますので、事前に住みたい団地の市営住宅を見に行くことはできます。
部屋の中を確認することはできませんが、建物の外見や共用スペース、住んでいる人や周辺の雰囲気を確認しておくことで安心できるかもしれません。
母子家庭で市営住宅に住みたい、ここにも注意
続いて、市営住宅に住むときのデメリットは、設備の一部を自分で用意する必要があるという点です。
一般的に市営住宅では、室内の一部の設備を自分で用意する必要があります。家賃の負担の少ない市営住宅であっても、ある程度の初期費用は必要になってきます。
市営住宅に住むことが決まってから費用が足りないということにならない様に用意しておくといいでしょう。
では、どのようなものを用意しなければならないのでしょうか。
用意しなければならない設備は照明器、鏡、便座のふた、ガスコンロまたはIH調理器、網戸、台所の湯沸かし器、浴槽、風呂釜、エアコンなどがあげられます。
一般的な賃貸物件であればついているものもありますので、用意することを考えるとデメリットに感じるかもしれません。また、市営住宅によって用意するものは代わってきますので、入居が決まる前に確認しておきましょう。
以上が市営住宅のデメリットとなります。
母子家庭で市営住宅に住みたい、事前の準備を忘れずに
市営住宅に住みたいという方は、
- 市営住宅は入居する前に部屋の中を確認することができない
- 設備の一部を用意する必要がある
ということを前もって知っておくことで、市営住宅のある団地の雰囲気や子供が成長したときに必要となる間取りを確認する、必要な設備の費用など初期費用も前もって用意する、といった対策を取っておくことができます。
事前の準備をしっかりしておけば、いざ住むことになったときにあわてずに済み、住んでからも「こんなはぜではなかった」ということもなくなるのではないでしょうか。