定期預金をされている方は多いと思います。毎月決まった金額を積み立てていくので、お金を増やすには確実な方法ですよね。また口座引き落としであれば、特に意識しなくてもお金がたまっていくので、忙しい母子家庭などにとっては助かります。
今は金利が低いので、預けていてもほとんど増えていかないから定期預金はしていない、という人もいるでしょう。でもそんな人にもおすすめしたいのが、ニュー福祉定期預金です。
定期預金の中でも福祉定期預金というのは、遺族基礎年金や障碍者年金などの年金を受給している人を対象にした定期預金で、一般の定期預金より高い金利が設定されているのが一番のメリットです。金利が高いということは、同じ金額を預けても、もらえる金額が多いということですよね。
だだし、これは生活が苦しい方を経済的に支援するための預金なので、誰でも利用できるわけではなく、先に述べたように、利用できる人には制限が設けられていました。
また、福祉定期預金というのは郵便貯金での呼び方で、以前は同じような福祉型の定期預金は銀行などでも開設していましたが、今はゆうちょ銀行のみが取り扱っています。(銀行の中には、福祉定期という名の定期預金を解説しているケースもありますが、本来の意味の福祉定期とは違うようです。)
この福祉定期預金の見直しが行われたのがニュー福祉定期預金です。
変わったのは、金利をはじめ、利用するための条件、預金金額などで、現在の社会情勢に合わせた形になりました。
ニュー福祉定期貯金が母子家庭に関係するのは、利用者の条件に、児童扶養手当などを受けている方が追加になったからです。母子家庭の方なら、多くは児童扶養手当を受けていると思います。
となると、金利の高いニュー福祉定期預金が利用できるかもしれないですよね。
そこでここでは、ニュー福祉定期預金とそのメリットについて、じっくり解説したいと思います。
ニュー福祉定期預金のメリットとは?
ニュー福祉定期預金は、ゆうちょ銀行のHPで次のように定義されています。
障害基礎年金、遺族基礎年金などをお受け取りの方などが預入いただける預入期間1年の定期貯金です。
一般の1年ものの定期貯金の金利に一定の金利を上乗せした金利を適用します。
またニュー福祉定期預金の特徴として
障害基礎年金、遺族基礎年金などの当行所定の年金等をお受け取りの方および制度上、公的年金受給資格を持たない1926年(大正15年)4月1日以前生まれの在日外国人の方が預入いただける預入期間1年の定期貯金です。
一般の1年ものの定期貯金の金利に年0.10%(税引後 0.079685%)を上乗せした金利を適用します。
自動継続の取扱い(継続預入の取扱いおよび再預入の取扱い)は行いません。
と明記されています。
年金などの支援を受けている方を対象に、普通の金利より高い金利で預金できるのがニュー福祉定期預金のメリット、ということになります。
ニュー福祉定期預金のメリット、利子は?
ニュー福祉定期預金の対象者
まず、どのような人がこのニュー福祉定期預金を利用できるのでしょうか?
ゆうちょ銀のHPでは、以下の年金等を受け取っている方を対象にしています。
国民年金 | 障害基礎年金、遺族基礎年金、寡婦年金、老齢福祉年金、老齢特別給付金 、障害年金※、母子年金※、 準母子年金※、 遺児年金※ |
厚生年金(船員保険を含む) | 障害厚生年金、遺族厚生年金、障害年金※、遺族年金※、通算遺族年金※、特例遺族年金※、寡婦年金※、かん夫年金※、遺児年金※ |
共済年金 | 障害共済年金、遺族共済年金、特例障害農林年金、特例遺族農林年金、障害年金※、遺族年金※、通算遺族年金※ |
各種手当(法律に基づき支給されているもの) | 児童扶養手当 、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、特別障害者手当、福祉手当、医療特別手当、特別手当、健康管理手当、保健手当 |
恩給(総務大臣裁定のもの) | 増加恩給、傷病年金、 特例傷病恩給、普通扶助料、公務扶助料、増加非公死扶助料、特例扶助料、傷病者遺族特別年金 |
援護年金 | 障害年金、遺族年金、遺族給与金 |
この中で母子家庭に関係するのが児童扶養手当です。母子家庭でも所得制限で児童扶養手当を受けていなくても、この表にある年金、手当を受けているのであれば利用することができます。
預け入れ金額
預け入れの最低金額は1,000円で、1,000円単位での預け入れとなります。また上限が決まっており、1人300万円まで預け入れが可能です。
利子
通常の1年定期貯金の金利に、年0.10%(税引後 0.079685%)をプラスした金利が適用されます。通常の1年定期金利が0.002%とすると、0.102%の金利、1,000,000円預けると1,020円の利子(税引き前)が付くことになります。
20円だった利子が1,020円になるので、金額そのものは少額かもしれませんが、母子家庭にとっては大きなメリットですよね。
預入期間
1年です。
ただし、1年で終わりと言うことはなく、再度加入できます。再加入の回数は現時点では上限は設定されていないので、基本、継続できます。
また、満期を迎えると自動的に払い戻しされるほか、一般の定期預金に振り替える「満期振替預入の取り扱い」ができるのも、ニュー福祉定期預金のメリットでしょう。
ニュー福祉定期預金のメリット、手続きは難しくない?
基本は、必要書類を揃えて郵便局の窓口に提出します。提出する書類は新規預け入れ、2回目以降の預け入れで少し変わります。
新規預け入れ
- 預入申込書
- 印鑑
- 年金証書等のニュー福祉定期貯金の対象者であることが確認できる書類
- 本人確認書類
- 総合口座通帳またはカード
母子家庭の場合、ニュー福祉定期貯金の対象者であることが確認できる書類は、児童扶養手当ということになります。
2回目以降の預け入れ
- 預入申込書
- 年金証書等のニュー福祉定期貯金の対象者であることが確認できる書類
- 定額定期貯金証書
ニュー福祉定期貯金の対象者であることが確認できる書類は、新規と同じです。
また、満期で払い戻しを受けるのであれば、
- 定額定期貯金証書
- お届け印
- 本人確認書類
を提出します。
ニュー福祉定期貯金よりメリットの大きい定期預金は?
今回紹介したのはゆうちょ銀行のニュー福祉定期貯金でしたが、ネット銀行などを見ると、1年ものではありますが、ニュー福祉定期貯金よりも高い金利で預け入れできる定期預金もあります。
こういった定期預金では、確かに利子は高いですが、普通預金はメガバンクやゆうちょ銀と同じか低かったり、ATMの利用手数料が高かったりすることがあり、やみくもに飛びつくのはリスクがあります。
また、預け入れの最低金額が高い、上限が低い、といったケースも見られるので、預け入れ条件などの確認は絶対に必要です。
利子の高さだけに目を奪われ合ないようにしましょう。