母子家庭の割合は、平成28年度の調査結果では、ひとり親家庭数は141.9万世帯,そのうち母子家庭は123.2万世帯,父子家庭は18.7万世帯で,ひとり親世帯の86.8%が母子家庭でした。
そして母子家庭の数は、離婚などにより年々増加しています。
母子家庭になる理由は様々です。中には再婚を望む母子家庭も少なくありませんが、再婚率はなかなか上がっていません。
再婚には色々な課題があり、当人同士の気持ちだけで進むことはできません。また、支援策も必要でしょう。
そこでここでは、母子家庭の再婚率について、再婚に関する課題とどのように対応したらいいか、支援策について考えてみたいと思います。
母子家庭の再婚率、今は上がっている?
海外での例になりますが、アメリカの場合、母子家庭の再婚率は徐々に上昇しており、2019年の調査によると、母子家庭で再婚した家庭の割合は約40%でした。
一方で日本では再婚率は低く、母子家庭の再婚率は10%以下と言われていますが、少しづつですが年々増加しています。
母子家庭の再婚が増加する理由としては、経済的な支援や、子育てや家事を協力できるパートナーを求めるためでしょう。また再婚により新しい家族ができることで、子供たちにとっては心理的な安定感が生まれるという効果もあります。
母子家庭の再婚率、上がっている理由は?
母子家庭の再婚率が上がっている理由は、いくつか考えられます。
再婚する母子家庭の多くは、子供が比較的若い年齢層であることが特徴的です。これは、子供がまだ物心が付く前で元夫の記憶がほとんどなく、新しいパートナーとの関係に馴染みやすいためです。
離婚で母子家庭になった場合は、再婚までの期間が比較的長くなっています。これは離婚後に時間が経ち、再婚に向けた心の準備が整った時期に再婚するからです。
また、母子家庭の多くは経済的な問題を抱えていることが多く、そういった家庭では、パートナーの収入や経済的な安定を必要としています。
不況が続く現在は、自分だけで収入を増やすのは簡単ではないですよね。収入のあるパートナーがいれば、少しでも生活が楽になります。
母子家庭の再婚率、上がっているのはメリットが大きいから?
再婚によって新しいパートナーが加わることになるため、母子家庭の家族構成が変わります。新しいパートナーが自分の子供を連れてくる場合もあり、そうなると家族構成も複雑化する可能性があります。
また、母子家庭の生活環境が変化するケースもあります。
例えば、再婚相手の住居に移り住む場合、身の回りの環境がほとんど変わってしまうこともあるでしょう。また、新たな家族構成に合わせた生活スタイルに変えていく必要もありますよね。
他にも、再婚相手の収入が加わることで、家計の負担が軽減されたり、新しい家族構成に合わせた住まいを購入できたりします。
そういったことにひとつひとつ対応していかないといけないので、最初は大変ですが、再婚するとそういった苦労を上回るメリットがあることから、再婚率も増加しつつあるのです。
母子家庭の再婚率、子育ての課題は影響する?
再婚によって母子家庭の家族構成が変化するため、子供たちにとっても新しい家族構成に適応しなくてはいけなくなります。
新しいパートナーやその子供たちとの関係性を構築し、家族としての共同生活を送るためには、時間と努力が必要です。
特に再婚直後は、子供たちと再婚相手とのコミュニケーションに調整が必要でしょう。子供たちが再婚相手を受け入れるためには、相手とのコミュニケーションを通じて理解を深めなければいけないからです。
その他にも、子供たちの感情のケアが重要です。
再婚相手が自分たちの父親や母親の代わりになるわけではないため、子供たちの不安や心配を理解し、受け止める必要があります。
母子家庭の再婚率、上げるための支援策とは?
再婚率が低い母子家庭には様々な支援策があります。
ファミリーサポートセンターでは、母子家庭に対して、育児相談や生活相談、就労支援、法律相談などの支援を提供する施設があります。このファミリーサポートセンターを活用することで、母子家庭が抱える問題に対して的確なアドバイスを得ることが可能です。
また、シングルマザー支援団体では、母子家庭に対して、仲間や情報交換の場を提供する支援団体があります。
シングルマザー支援団体に参加することで、同じような状況にある人たちと交流することができ、共感や励ましを受けられます。
さらに、福祉制度の利用をするのもおすすめです。
母子家庭は、福祉制度を活用することで生活や子育てに必要な支援を受けることができます。例えば、児童扶養手当や母子家庭支援制度、住宅支援制度などがあります。
これらの制度を利用することで、母子家庭が経済的に安定し、子育てや生活に余裕を持つことができます。
母子家庭の再婚率を上げるには
再婚したいと考えているけどなかなか踏み切れない、という母子家庭の方は、色々な悩みを持っています。
そういう方に、再婚のメリットやデメリット、再婚相手との出会い方や交際の進め方、子どもとの関わり方などについて、悩みを解消できる情報を提供することができれば、再婚率は上がるでしょう。
再婚に関するカウンセリングやセミナーを実施することも有効な方法です。
また、再婚相手との出会いをサポートするために、マッチング支援を行うのも再婚率を上げるよい方法です。出会いの場を提供したり、マッチングアプリや婚活サイトを活用したりすることで、再婚相手との出会いの機会を増やすことができます。
さらに、再婚によって生活が安定するように、支援制度を拡充することが重要です。
例えば、再婚によって家計が増えた場合にも児童扶養手当や母子家庭支援制度を受けられるようにするなど、制度面での支援を充実させることが望まれます。
他にも、再婚家庭に対して偏見や差別をなくし、支援する社会風土をつくることも考えなければいけません。
母子家庭の再婚率、支援策と社会の理解も大きく関係します
母子家庭の再婚率は、支援策の充実や社会意識の向上などによって上がる可能性があります。
しかし、再婚は個人の自由であるため、再婚を望まない母子家庭も存在することに留意する必要があります。
今後も、母子家庭がより豊かな生活を送れるように、支援策の拡充や社会全体の理解を深めることが求められます。