母子家庭の医療費無料制度は、都道府県や市区町村によって適用される期間が異なります。多くの自治体で、子どもは15歳(中学校卒業)までが基本的な無料期間となっていますが、東京都や神奈川県、千葉県など、独自の延長制度を設けている地域では18歳(高校卒業)まで対象になることがあります。
2024年現在、所得制限は扶養親族2人の場合で年収365万円未満が一般的な基準です。医療機関の窓口で支払いが不要になる「現物給付方式」と、一度支払った医療費を後で返金する「償還払い方式」の2つの給付方法があり、自治体によって異なります。適用を受けるには、事前に各自治体の窓口での手続きが必須となっています。この制度で受けられる医療費の範囲は、健康保険の適用範囲内に限定されています。
母子家庭の医療費無料制度の期間と年齢制限
医療費無料制度の期間は、居住地域によって大きく異なります。中学校卒業までを基本とする自治体が最も多く、高校卒業までカバーする地域、大学生でも対象になる地域など、全国的にみると15種類以上の区分が存在します。年齢制限の上限は、都道府県レベルで定められた基準に加え、市区町村が独自に上乗せする形で拡大される傾向にあります。近年、対象年齢を引き上げる自治体が増加しており、2024年には全国で12の都道府県が18歳までの医療費無料化を実施しています。自治体間の制度の違いを把握することが、支援を最大限に活用するポイントです。
子どもの医療費が無料になる年齢はいつまで?
子どもの医療費無料化の期間について、地域別に詳しく見ていきます。基本となる都道府県の制度に加えて、市区町村が独自の年齢延長を実施しているケースが増えています。
<都道府県別の基本制度>
・中学校卒業まで(15歳):28道府県
・高校卒業まで(18歳):12都府県
・その他の年齢設定:7県
子どもが高校を卒業するまでの医療費無料化を実施している自治体では、入院費と通院費の両方が対象になるのが一般的です。診療科目による制限はありませんが、保険診療の範囲内に限られます。
医療費の無料化には、親の所得制限が設けられているケースが多く、年収や扶養家族の数によって基準が定められています。2024年度の場合、扶養家族が2人の世帯では年収365万円が目安となり、これを超えると助成対象から外れる自治体が大半を占めています。
都道府県別の年齢制限一覧
全国の都道府県における医療費無料化の年齢制限について、地域ごとの特徴をまとめました。北海道から九州まで、47都道府県それぞれで独自の基準を設けています。
北海道・東北地方では、就学前から中学校卒業までが主流となっており、青森県と秋田県は中学校卒業まで、岩手県と山形県は就学前までという基準です。一方、関東地方では東京都が18歳までと手厚い支援を実施しており、神奈川県と千葉県も同様の制度を採用しています。
中部地方の特徴として、愛知県と静岡県が中学校卒業まで、新潟県と富山県が高校卒業までと、県によって大きな違いがみられます。関西地方では、大阪府と京都府が高校卒業までの支援を行っており、兵庫県は中学校卒業までとなっています。
中国・四国地方の各県は、概ね中学校卒業までを基準としていますが、広島県と香川県は独自の延長制度を設けています。九州・沖縄地方では、福岡県と熊本県が高校卒業まで、その他の県が中学校卒業までという状況です。
なお、これらの制度は毎年のように見直しが行われており、2024年度も複数の自治体で年齢制限の引き上げが検討されています。
18歳まで無料の自治体
2024年現在、高校卒業までの医療費を無料化している自治体では、特徴的な運用がなされています。都道府県レベルで18歳までの医療費無料化を実施しているのは、東京都、神奈川県、千葉県、大阪府、京都府など12の都府県となっています。
北海道内では、札幌市が独自の制度として18歳までの医療費無料化を導入し、入院・通院ともに対象としています。東北地方の仙台市でも、2023年度から高校卒業までの無料化が始まり、所得制限を緩和する動きも出てきました。
自己負担については、完全無料の自治体と月額上限を設定している自治体があり、その金額設定にも違いがみられます。東京23区内では、入院時の食事代も助成対象に含まれる地域が増加傾向にあります。
所得制限の基準値は、18歳までの無料化を実施している自治体の方が、比較的緩やかに設定されている傾向があります。扶養家族2人の場合、年収400万円前後まで対象となるケースが多くみられます。
医療機関の窓口での支払い方法も、自治体によって異なります。現物給付方式を採用している地域では、受給者証の提示で支払いが不要になりますが、償還払い方式の地域では、一時的に医療費を支払い、後日、指定口座に振り込まれる仕組みとなっています。
高校卒業まで無料になる条件
高校卒業までの医療費無料化には、いくつかの重要な条件が設定されています。対象となる子どもが高校などに在学していることが基本要件で、定時制や通信制の高校に通う場合も含まれます。
<基本的な適用条件>
・健康保険に加入していること
・市区町村の住民基本台帳に記録があること
・母子家庭の場合、婚姻関係にないこと
所得要件については、毎年の所得確認が実施されます。収入基準を超えた場合、翌年度から対象外となる制度設計が一般的となっています。ひとり親の給与所得控除後の金額が基準となり、養育費は収入認定の対象外となることが多いです。
施設入所中の場合や、親元を離れて就職している場合は、対象外となるケースがほとんどです。ただ、親元から通学している場合や、アルバイト程度の収入であれば、対象となることが一般的となっています。
年度途中で18歳に達した場合、最長でその年度末まで給付対象となります。生徒の状況変更があった場合は、速やかに届け出る必要があり、届け出が遅れると給付金の返還を求められることがあります。
母子家庭の親の医療費無料制度
母子家庭の親が利用できる医療費無料制度は、子どもの制度とは別の基準で運用されています。所得の基準値は、扶養家族の人数によって細かく設定されており、生活保護を受給している世帯は対象外となります。利用する医療機関は、保険医療機関であれば、地域や診療科目を問わず利用できます。
<親の医療費無料化の対象項目>
・保険診療の自己負担分
・入院時の食事療養費
・訪問看護療養費
2024年度の制度では、入院・通院ともに保険診療分が対象となり、自己負担分が免除されます。定期的な通院や長期の治療が必要な場合、大きな経済的支援となっています。一方、予防接種や健康診断、診断書料などは対象外です。
医療機関での受診時は、「ひとり親家庭等医療証」の提示が求められます。この医療証は毎年更新が必要で、前年の所得に基づき判定されます。制度の利用には事前の申請手続きが不可欠で、受給資格の認定を受ける必要があります。
親の医療費無料化の対象期間
母子家庭の親の医療費無料化対象期間は、子どもが18歳に達する日以後の最初の3月31日までとなっています。障がいのある子どもを扶養している場合は、20歳未満まで延長されるケースが多く見られます。
医療証の有効期限は、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間です。年度途中で所得が増えても、その期間内は継続して利用できます。ただし、婚姻や事実婚の状態になった場合は、即時に資格を喪失します。
給付方法は地域によって異なり、医療機関の窓口で支払いが不要な「現物給付方式」と、一時的に支払った後で払い戻される「償還払い方式」があります。現物給付方式では、受給者証の提示により、窓口での支払いが原則不要となりますが、入院時の食事代は実費負担が必要な自治体もあります。
償還払い方式の場合、領収書と申請書類を揃えて市区町村の窓口に提出すれば、1~2ヶ月程度で指定口座に振り込まれます。医療費の還付申請は、医療機関を受診した日の翌日から起算して5年以内に行う必要があります。
対象医療機関は、健康保険が使える医療機関であれば、どの医療機関でも利用可能です。ただし、保険診療と保険外診療を併用した場合、保険診療分のみが給付対象となります。柔道整復師やはり師、きゅう師による施術も、健康保険が適用される場合は対象となります。
所得制限の金額と条件
母子家庭医療費無料制度の所得制限は、扶養親族の人数によって細かく区分されています。2024年度の基準では、扶養親族が1人の場合は年収300万円、2人の場合は365万円が一般的な上限額となっています。
収入認定の対象となる所得は、給与所得や事業所得、不動産所得などです。養育費については、自治体によって収入認定の取り扱いが異なります。児童扶養手当や遺族年金などの非課税所得は、所得制限の計算に含まれません。
<所得制限の基準額(扶養人数別)>
・扶養なし:年収270万円
・扶養1人:年収300万円
・扶養2人:年収365万円
・扶養3人:年収410万円
所得制限の判定に使用される収入は、前年の所得に基づいて計算されます。年度途中で収入が増えても、その年度内は資格を継続して利用できます。逆に、収入が減少した場合は、随時、所得の再判定を申請することができます。
給与所得者の場合、源泉徴収票の支払金額から給与所得控除を引いた後の金額が判定基準となります。事業所得者は、確定申告書の所得金額が基準になります。パートやアルバイトの収入も合算され、判定対象となることに注意が必要です。
医療費無料の対象範囲
医療費無料制度の対象範囲は、健康保険が適用される診療に限定されています。入院費、通院費、調剤費用、訪問看護費用が基本的な給付対象となり、歯科診療も含まれます。
保険診療と保険外診療を同時に受けた場合、保険診療部分のみが給付対象です。自由診療やクリニックでの美容整形、予防接種、健康診断などは対象外となります。入院中の差額ベッド代や食事代も、自己負担が必要な場合があります。
救急での受診や、やむを得ない事情で保険証を持参できなかった場合は、10割負担となりますが、後日、申請することで払い戻しを受けられます。ただし、申請期限が設けられているため、速やかな手続きが求められます。
<対象外となる主な医療費>
・自由診療の費用
・予防接種代
・健康診断料
・文書料(診断書など)
・医療機関以外での購入医薬品
医療機関での治療に伴う装具や医療材料費は、健康保険が適用される範囲内で給付対象となります。はり、きゅう、あんま、マッサージなどの施術も、医師の同意書があれば給付対象になるケースがあります。
母子家庭の医療費を無料にする申請方法
母子家庭医療費の無料化には、居住地の市区町村窓口での申請が必要不可欠です。申請の時期は、母子家庭となった日から速やかに行うことが推奨されており、認定は申請日からとなるため、遅れると損をする可能性があります。認定までの期間は自治体により1週間から1ヶ月程度が一般的で、急を要する場合は窓口で相談することをおすすめします。申請書類の不備がある場合、受理されないことがあるため、事前に必要書類を確認しましょう。2024年からオンライン申請を導入する自治体も出てきています。
必要な書類と手続きの流れ
医療費無料化の申請には、世帯の状況を証明する複数の書類が求められます。申請者の本人確認書類、所得証明書、戸籍謄本などの基本書類に加え、健康保険証のコピーや、場合によっては養育費に関する申告書なども必要となります。
申請の基本的な流れは、書類の準備から始まります。必要書類が揃ったら、市区町村の担当窓口で申請を行います。書類審査を経て、認定されると医療証が発行されます。医療証の受け取り方法は、窓口での直接受け取りか、郵送のいずれかを選択できる自治体が多いです。
<申請の流れ>
・必要書類の収集と準備
・窓口での申請手続き
・書類審査と認定判断
・医療証の発行と受け取り
申請時の面談では、制度の利用方法や注意点について詳しい説明があります。質問事項は、この時にまとめて確認することをお勧めします。認定後の手続きや、医療機関での受診方法についても説明を受けることができます。医療証の有効期限や更新手続きの時期についても、忘れずに確認しましょう。
申請に必要な書類一覧
医療費無料化制度の申請に必要な書類は、申請者の状況によって異なりますが、基本的な必要書類をまとめると以下のようになります。書類の有効期限は、発行日から3ヶ月以内のものが求められるケースが一般的となっています。
<基本的な必要書類>
・申請者の身分証明書(免許証など)
・健康保険証の写し
・所得証明書または非課税証明書
・戸籍謄本または抄本
・住民票の写し
・印鑑(朱肉を使用するもの)
・振込先の通帳またはキャッシュカード
申請者が外国籍の場合は、在留カードや特別永住者証明書も必要です。離婚直後の申請では、離婚の事実が記載された戸籍謄本が求められます。未成年の子どもがいる場合は、子どもの健康保険証の写しも必要となります。
所得証明書の取得方法
所得証明書は、居住している市区町村の税務課や市民課で取得できます。証明書の発行には、申請者の本人確認書類が必要で、手数料は300円から500円程度が一般的です。コンビニエンスストアでも、マイナンバーカードを使用して取得できる自治体が増えています。
取得できる場所や時間帯は地域によって異なります。平日の日中以外でも取得したい場合、土日開庁している出張所や、証明書自動発行機が設置されている施設を利用する方法があります。発行にかかる時間は、窓口で申請した場合10分程度です。
<所得証明書の取得に必要なもの>
・本人確認書類
・手数料
・印鑑(自治体による)
・申請書(窓口に設置)
代理人による申請も可能ですが、委任状と代理人の本人確認書類が追加で必要となります。前年の所得がない場合は、非課税証明書を提出することになります。転入して間もない場合は、前住所地の所得証明書が必要になることがあります。
確定申告をしている場合、税務署でも所得証明書を取得できます。ただし、確定申告書の控えに受付印があれば、それを代用できる自治体もあります。複数年分の所得証明が必要な場合は、その旨を窓口で伝える必要があります。
申請書の記入例
申請書の記入は、黒のボールペンで丁寧に記入することが求められます。記入漏れや書き間違いがあると再提出が必要になるため、各項目を注意深く確認しながら進めていくことが大切です。
住所欄には、建物名や部屋番号まで省略せずに記入します。電話番号は日中連絡がつく番号を優先的に記載します。世帯状況の欄では、同居している家族全員の情報を記入する必要があり、続柄や生年月日の記載漏れに注意が必要です。
<申請書の主な記載項目>
・申請者情報(氏名・住所・電話番号)
・世帯員情報(氏名・続柄・生年月日)
・健康保険の種類と保険者番号
・振込口座情報
・申請理由
申請書の訂正は、修正液や修正テープの使用が認められない自治体が多いです。訂正が必要な場合は、二重線を引いて訂正印を押すか、新しい用紙で書き直すことになります。署名欄と押印欄は、指定された場所に正確に記入・押印することが重要です。
申請窓口と受付について
申請窓口は、各市区町村の福祉医療担当課が主な受付場所となっています。東京都の場合、各区の子育て支援課や福祉課が窓口となり、政令指定都市では区役所の保険年金課が担当することが多いです。区役所や市役所の本庁舎以外にも、支所や出張所でも申請を受け付けている自治体が増えています。
窓口での所要時間は、書類の準備状況により大きく異なります。全ての書類が揃っている場合で20分程度、不備がある場合は再度来庁が必要になることもあります。混雑状況によって待ち時間が発生するため、時間に余裕を持って訪れることをお勧めします。
<申請時の確認事項>
・受給資格の要件確認
・所得制限の説明
・医療証の使用方法
・更新手続きの案内
・給付方法の説明
制度についての詳しい説明も窓口で受けられます。不明な点は、その場で確認することで後のトラブルを防ぐことができます。担当者から制度の利用方法や注意点について説明を受けた際は、メモを取ることをお勧めします。
各地域の窓口一覧
全国の主要都市における申請窓口の場所と特徴をご紹介します。政令指定都市では区役所ごとに窓口が設置されており、中核市では本庁舎の福祉医療課が主な窓口となっています。
北海道・東北地方の場合、札幌市は各区役所の保険年金課、仙台市は各区の保護課が窓口業務を担当しています。関東地方では、東京都23区それぞれに子育て支援課が設置され、横浜市は18区の保険年金課で受付を行っています。
中部地方の名古屋市では16区の民生子ども課、大阪市は24区の保健福祉課が窓口となり、九州地方の福岡市は7区の福祉・介護保険課で手続きを受け付けています。人口の多い地域では、支所や出張所にも窓口が設けられ、身近な場所で申請できる体制が整っています。
各窓口では、地域独自の上乗せ制度についても相談することができます。窓口によって取り扱える手続きの範囲が異なる場合があるため、事前に電話で確認することをお勧めします。特に、住所変更や資格喪失などの重要な手続きは、必ず所定の窓口で行う必要があります。
申請の受付時間
医療費無料制度の申請受付は、原則として平日の8時30分から17時15分までが基本となります。都市部では、毎週水曜日に19時まで窓口を延長している自治体や、毎月第2日曜日に開庁する自治体も増えてきています。
混雑状況は時間帯によって大きく異なります。開庁直後と12時前後は比較的空いている傾向にあり、10時から11時、14時から15時が最も混雑します。月初めと月末、年度末は特に混雑が予想されます。待ち時間の目安は、混雑時で40分から1時間程度です。
<受付窓口の混雑傾向>
・8:30~10:00(空いている)
・10:00~11:00(混雑)
・11:00~12:00(やや空いている)
・13:00~14:00(普通)
・14:00~15:00(混雑)
・15:00~17:15(やや空いている)
一部の政令指定都市では、完全予約制を導入している窓口もあります。予約システムはウェブサイトや電話で利用でき、待ち時間を大幅に短縮できます。年度更新の時期は特に予約が取りにくくなるため、早めの予約をお勧めします。
郵送での申請方法
郵送による申請は、窓口への来庁が困難な場合の代替手段として利用できます。申請書類一式を、所定の宛先に簡易書留など追跡可能な方法で送付します。ただし、自治体によって郵送申請の可否が異なるため、事前確認が必要です。
必要書類を送る際は、原本が必要な書類と写しでよい書類を確認します。戸籍謄本や住民票は原本が必要ですが、健康保険証は写しで問題ありません。申請書類の返送には1週間から2週間程度かかり、不備があった場合は電話で連絡が入ります。
<郵送申請の注意点>
・記入漏れや押印忘れの確認
・原本と写しの区別
・返信用封筒の同封
・履歴が残る発送方法の選択
・控えのコピーを保管
郵送申請が認められている場合でも、初回申請は窓口での手続きを推奨している自治体が多いです。制度の詳しい説明や、医療証の使用方法について直接説明を受けられるためです。特に、給付方法や更新手続きなど、重要な事項は対面での確認が望ましいとされています。
母子家庭の医療費無料制度で注意すること
医療費無料制度を利用する上で、いくつかの重要な注意点があります。制度の利用開始後も、世帯状況や収入の変更があった場合は、速やかな届け出が必要です。届け出の遅れや漏れがあると、医療費の返還を求められる可能性があります。市区町村からの案内文書は必ず確認し、期限内に対応することが大切です。2024年度の制度改正では、オンラインでの各種届け出に対応する自治体も出てきました。書類の提出期限や給付金の申請期限を守ることで、不利益を被ることなく制度を活用できます。
医療証の使い方と更新
医療証は、保険証と併せて医療機関の窓口に提示することで、医療費の無料化が適用されます。医療証は本人以外の使用が禁止されており、貸し借りは違法となります。通院や入院の際は、必ず保険証と一緒に持参することが大切です。
医療証の有効期限は、毎年7月31日までとなっている自治体が多く見られます。更新手続きは6月頃から始まり、所得の確認や世帯状況の変更有無をチェックします。更新時期を過ぎてしまうと、一時的に医療費の全額支払いが必要になることがあります。
<医療証使用時の注意点>
・保険証との併用が必要
・本人以外の使用禁止
・有効期限の確認
・紛失時の速やかな届け出
・更新手続きの期限厳守
有効期限が切れる前に、市区町村から更新案内が送付されます。案内が届いたら、必要書類を確認し、期限に余裕を持って手続きを行うことが重要です。更新時期は窓口が混雑するため、早めの対応をお勧めします。毎年の更新を忘れないよう、スマートフォンのカレンダーにリマインダーを設定することも効果的です。
医療証の受け取り方
医療証の受け取り方は、窓口での直接受け取りと郵送での受け取りの2つの方法があります。申請から医療証発行までの期間は、自治体により1週間から3週間程度です。受給資格の認定日は申請日に遡りますが、医療証が手元に届くまでの医療費は償還払いとなります。
窓口での受け取りは、本人確認書類の提示が必要です。代理人による受け取りの場合、委任状と代理人の身分証明書が求められます。郵送での受け取りは、申請時に返信用封筒を提出する必要があり、簡易書留での送付を選択できる自治体もあります。
<医療証受け取り時の確認事項>
・記載内容の誤りがないか
・有効期限
・給付方法の確認
・医療機関での使用方法
・更新時期の確認
医療証を受け取ったら、記載内容に誤りがないか必ず確認します。住所や氏名に変更があった場合は、速やかに届け出る必要があります。医療証は、汚損や破損を防ぐため、専用のケースに入れて保管することをお勧めします。
更新手続きの時期
更新手続きは、毎年6月から7月にかけて行われます。市区町村から更新案内が届き、前年の所得確認や世帯状況の確認が実施されます。新しい医療証の有効期限は、8月1日から翌年の7月31日までとなっています。
更新には、現在お持ちの医療証と、所得証明書などの必要書類の提出が求められます。更新期間中は窓口が大変混雑するため、案内が届いたら早めに手続きを行うことが賢明です。土日窓口や時間外窓口を利用すると、比較的スムーズに手続きができます。
<更新時の必要書類>
・現在の医療証
・所得証明書
・健康保険証の写し
・印鑑
・振込先口座情報
更新手続きを忘れると、8月1日以降の医療費が一時的に全額自己負担となります。後日、更新手続きが完了すれば遡って給付を受けられますが、一時的な負担を避けるためにも、期限内の手続きが重要です。更新時期が近づいても案内が届かない場合は、市区町村の窓口に問い合わせることをお勧めします。
引っ越し時の手続き
引っ越しに伴う医療費助成の手続きは、転出と転入の両方で必要となります。転出前の市区町村では、医療証の返還手続きを行い、転入先の市区町村で新規申請を行います。手続きが遅れると、医療費の助成を受けられない期間が発生する可能性があります。
転出時は、転出予定日の2週間前から手続きが可能です。医療証の返還と同時に、転出時点までの医療費の清算を行います。未申請の医療費がある場合は、この時点で申請することをお勧めします。
<引っ越し時の手続きの流れ>
・転出前の市区町村で医療証返還
・転入先の市区町村で新規申請
・国民健康保険の切り替え
・児童扶養手当の住所変更
・振込口座の変更
転入先では、転入後14日以内に新規申請を行う必要があります。この期間内に申請すれば、転入日に遡って医療費の助成を受けることができます。転入時の申請には、転出前の所得証明書が必要となるケースもあるため、事前に準備しておくことが重要です。
無料にならない医療費について
医療費の無料化には一定の制限があり、全ての医療費が対象となるわけではありません。保険診療の範囲内であっても、一部負担が必要なケースや、完全に対象外となる医療費があります。制度を利用する前に、これらの制限を理解しておくことが大切です。
対象外となる医療費は、自由診療や保険外診療が中心です。健康診断や予防接種、美容整形などは、医療機関で受ける治療であっても助成の対象外となります。入院時の差額ベッド代や食事療養費も、自己負担となるケースが多く見られます。
<基本的な対象外医療費>
・健康診断や人間ドック
・予防接種
・薬局での市販薬購入
・文書料(診断書など)
・医療機器の購入費用
医療費助成の対象となるのは、健康保険が適用される診療に限られます。そのため、保険診療と保険外診療を併用した場合、保険診療分のみが助成対象となり、保険外診療分は全額自己負担となります。柔道整復やはり、きゅうなどの施術も、療養費支給申請が認められた場合のみ対象となります。
対象外の医療費
医療費無料制度の対象外となる医療費には、明確な区分があります。自由診療による治療費や保険適用外の医療サービスは、全額自己負担となります。医療機関での治療であっても、保険診療以外のサービスは対象外です。
<具体的な対象外医療費>
・任意の予防接種費用
・美容整形や美容医療
・健康診断や人間ドック
・歯科の自由診療(インプラントなど)
・診断書などの文書料
・健康食品や医療機器の購入
また、海外の医療機関での診療費用は、いかなる場合も対象外となります。医師の指示によらない治療や、研究段階の治療法なども、助成の対象とはなりません。自費での服薬指導料や、薬局での市販薬購入も対象外です。医療機関への通院交通費や付き添い費用なども、助成対象から除外されています。
自己負担が必要な場合
医療費無料制度を利用する場合でも、一部自己負担が必要となるケースがあります。入院時の食事療養費は、多くの自治体で自己負担となっています。所得制限を超えた場合は、一定期間の経過後に自己負担が発生します。
高額療養費の対象となる医療費は、いったん自己負担となり、後日還付される仕組みとなっています。保険診療と保険外診療を組み合わせた混合診療の場合、保険外診療分は全額自己負担です。
<自己負担が発生する主なケース>
・入院時の食事代と差額ベッド代
・所得制限超過による給付停止
・保険外診療との併用
・高額療養費の対象となる医療費
・医療証の有効期限切れ
転院や治療方針の変更により、想定外の自己負担が発生することもあります。事前に医療機関で確認し、必要な費用を把握しておくことが重要です。医療証を提示せずに受診した場合も、一時的に全額自己負担となります。
還付金の受け取り方
医療費の還付金は、指定された口座に振り込まれます。償還払い方式の場合、医療機関での支払いから還付金の受け取りまで、1~2ヶ月程度かかります。申請は領収書の発行日から5年以内に行う必要があります。
還付金の申請には、医療機関が発行した領収書の原本が必要です。領収書には保険点数や診療内容の記載が必要で、これらが確認できない場合は還付の対象外となります。薬局での調剤費用も、別途領収書が必要です。
<還付金申請の手続き>
・領収書の原本提出
・申請書の記入
・振込口座の指定
・医療証の写しの添付
・世帯状況の確認書類
申請から還付金の受け取りまでの流れは、書類審査、支給決定通知の発送、指定口座への振り込みとなります。高額な医療費の場合、限度額認定証を利用することで、窓口での支払いを抑えることもできます。還付金の受け取り状況は、市区町村の窓口で確認することが可能です。