中学入学が間近になると成長がうれしい反面、中学入学費用がどれくらいかかるのか気になるのではないでしょうか?
参考書や文具などの費用ほかに、中学生になると部活動に入ったり、今ではスマホを持ったりと思いがけないところで費用がかかりますよね。
この記事では母子家庭の子が中学入学費用にいくらかかるのか、支援制度などについて書いています。ぜひ最後まで読んで下さいね。
公立の中学入学費用
授業料、部活の費用
厚生労働省H30年度子供の学習調査の結果によると、公立の中学入学費用は、一年間で平均138,961円かかるとされています。
内訳は
- 修学旅行、遠足等:26,217円
- 学校納付金:16,758円
- 図書、学用品等:25,413円
- 教科外活動費:29,308円
- 通学関係費:37,666円
- その他:3,599円
公立の中学校の場合、入学金、授業料はかかりません。その点、経済的に苦しい母子家庭の方は助かりますが、けれどアルバム代、修学旅行積立金、PTA会費などで学校に支払わなくてはいけないお金は色々とあります。
支払いは学期ごととしている中学校が多く、その場合、入学して4月末から5月くらいに一回目の支払いがあるので、まずはその準備をしておく必要があります。
また入学前に、制服やジャージなど揃えておく必要がありますよね。学校にもよりますが、その費用として10万円ほど用意できれば安心です。
中学校によっては制服やジャージのリサイクルに積極的で、PTA主催でリサイクル会をしてくれるところもあり、新品にこだわらなければかなり安く手に入れることができます。学校や近所の人から情報を集めておくとよいでしょう。
部活は何をするかによって費用は違ってきますが、ユニフォーム、道具などは学校から指定のものがほとんどです。子供がやりたい部活に入れるよう費用の準備をしておきたいですが、経済的に苦しい家庭では、できる部活に制限があるかもしれません。
また、中学生になると移動範囲も広くなります。電車移動の場合、大人運賃になるので、細かな出費が増えることが予想されます。
スマホ代や塾の費用
一般的な中学入学費用のほかに考えておいた方がいいのが、スマホ代や塾の費用です。
今は公立の中学校でも、クラスの連絡にLINEを使う学校が増えてきています。そうなるとスマホは必須になってきます。スマホの費用を抑えるには格安スマホやSIMフリーを使うなどして、賢く節約したいですね。
塾は子供の将来を考え、母子家庭であっても通わせたいと思う人も多いでしょう。
今は実際に塾まで行かなくても、スタディサプリやYouTubeといった、オンラインでリーズナブルに学習できる環境もあり、色々な選択があります。
オンラインではパソコンかタブレットが必要になりますが、塾に通うより安い授業料が設定されていることが多いので、費用を抑えられるメリットがあります。
子供の性格や経済状況に合わせ、オンラインでできるのか、塾の教室に通う方がいいのか、子供と相談して決めていけば、子供もやる気になってくれるのではないでしょうか。
衣服や持ち物の費用
成長にともない、服、カバンなども友達の持っているものが欲しくなります。
小学生の頃はおさがりで満足していた子も新品のものを欲しがるでしょう。友達が持っているからと欲しがる場合は、価値観を伝えるチャンスでもあります。
この機会に本当に欲しいものなのか、子供とじっくり話し合うのもいいかもしれません。
私立の中学入学費用
授業料、部活の費用
私立の中学入学費用は学校によって大きく違います。合格後1週間以内に入学金と前期授業料を納める学校が多くなっています。
厚生労働省H30年度子供の学習調査の結果によると、私立中学の学習費の総額は平均1,071,438円となっています。
内訳は
- 授業料:428,574円
- 修学旅行、遠足など:82,578円
- 学校納付金等:305,130円
- 図書、学用品等:50,198円
- 教科外活動費:55,796円
- 通学関係費:140,765円
- その他:8,397円
私立中学は遠方に通うことも多く、中学入学費用以外に交通費も相応にかかります。制服を購入するときに靴下や靴も学校指定の場合が多く、余裕を持って準備しておく必要があります。
また、私立中学に通うと学習面のサポートが手厚い場合が多く、そういう学校に通えば塾に行く必要もなくなるため、一概に私立の方がお金がかかるとは言い切れないケースもあります。
友達との交際費
私立中学は経済的に余裕のある子が通う場合が多く、、授業料以外でも出費はかさみます。実際、公立の小学校から私立の中学に行ったら、友達と遊びに行くと使うお金の桁が違う、という話もよく聞きます。
特に女の子が遊びに行くときは、ブランドものや流行りの服などを身につけている子も多いようです。
中学生になると、親の経済事情もなんとなくわかるものです。そのため、無理して通わせると子供にしわ寄せがこないとも限りません。学校の雰囲気にもよりますが、そのあたりも考慮し、私立に行かせるかどうか考えることが大切でしょう。
母子家庭が中学入学費用として利用できる支援制度
支援制度の種類
母子家庭が中学入学費用として利用できる支援制度には、次のものがあります。
児童扶養手当
母子家庭をはじめ、ひとり親世帯を対象にした給付金です。給付を受けるためには、所得制限があります。
児童手当
中学校修了までの全ての児童への給付金です。中学生は1万円支給されます。
教育扶助
生活保護世帯に向けた支援制度です。母子家庭で生活保護を受けている方なら受け取ることができますが、就学援助とは併用できません。
就学援助制度
小中学校に通う児童がいる家庭に支援を行う制度で、所得が一定水準以下の世帯に支給されます。
各自治体により申し込み方法が違いますが、多くは4月に申請します。申請しないと支給されないので、忘れないようにしましょう。
就学援助制度で負担してくれるのは、学校納付金、修学旅行費、給食費、通学費です。これらは全て実費負担で児童が参加した場合に直接学校に納付されます。(自治体によって変わる場合あり)
入学準備補助金
入学準備補助金は小学生中学生の新1年生に支給されます。4月以降の給付になる自治体があるので調べておきましょう。念のため、入学前に必要な制服、鞄などは事前にお金を準備しおけば万全です。
塾代支援事業
自治体によりますが、中学生の塾代を支援する事業があります。大阪市の場合上限一万円の支援があります。(所得制限あり)
母子家庭の中学入学費用に限った支援は少ない
中学生になると、あらたにスマホ代や塾代がかかり、電車代も大人料金、体もぐんと大きくなり食費もかさみます。けれど小学生のときと同じような支援制度しかない自治体が多く、母子家庭の中学入学費用の支援は手厚いとは言えないのが現状です。
自治体によっては独自の支援制度がある場合もあります。まずはどんな支援があるか、各自治体に問い合わせてみましょう。
中学入学費用はできる限りの備えを
中学校までは義務教育で支援制度も小学校のときと変わらない場合が多いため、子供が中学生の時が経済的に一番厳しいかもしれません。
できることとしては、小学生のうちにできる限り貯金をして中学入学費用に備えることでしょうか。
子供の将来や進学する中学校の評判が良くないなどで、中学から私立を考えている家庭もあるでしょう。その場合は、もし養育費をもらっているのであれば増額してもらったり、より高い収入が得られるよう、転職も考える必要があります。
多くの母子家庭の方にとって、中学入学費用は少なくない金額です。入学までに少しでも貯金をしたり、積立保険に入るなど、できる限りの備えはしておくのが賢明です。